2005年から提唱され、始まった「クールビズ」。
約20年たった現在(2025年)では、クールビズの季節になると軽装をするのが当たり前かというように根付いてきている。
確かにクールビズは猛暑を乗り切るのに必要な対策といえる。実際、その効果を実感しているから10年以上もこの習慣が続けられているんだと思う。
ただ、この今では当たり前な「クールビズ」を利用することで、仕事、特に”営業”で取引先から信頼を得ることができることをご存じだろうか?
これは筆者が実際にやっていたことなので、そこそこの説得力はあると思うので、読者の皆さんの仕事での参考にしてもらえれば良いと思い、綴っていく。
この記事でわかること
・そもそもクールビズってなんぞや
・クールビズを利用して取引先から信頼を得るとは
・クールビズ中のコーデ

文筆家
たくしん
takushin
プロフィール
- 野球歴13年 小学〜大学まで
- 主にキッチン、接客、フィットネスインストラクターのアルバイトを経験
- 吃音症歴20年
- オートローン会社(金融業界)に1年半在籍
- スーツ生地メーカーのオーダースーツ販売店に約4年在籍
- 百貨店販売員経験あり
- 読書を月10冊ほど
- 筋トレ歴約7年
- 文章を書く時に一番饒舌になるタイプの人間
そもそもクールビズって何?

そもそもクールビズってなんなのか?という話だが、「全世代が働きやすい服装を選べる」という根本原理をもとに、「適切な温度での空調使用と各自の判断による快適で働きやすい軽装に取り組んでもらうことで、多様で柔軟な働き方にも資する省エネ・省 CO2 の取り組み」という。
参照元:環境省 令和6年度クールビズについて
環境省では、5月1日〜9月末までの期間で集中的に実施するといわれている。
このクールビズ化によって、熱中症はもちろん、人々の自律神経の乱れの抑制やホルモンバランスの乱れなどを防ぐという目的がある。
簡単に要約すると、「心身を守って、健康に過ごす・働こうね」っていう取り組みだ。
クールビズの期間は約5ヶ月ほどで意外に長い。
クールビズの期間や実施は各会社の判断に任せているらしい。まぁ今時夏の平均気温が30度中ばになるから、やっていない会社はないだろうけど。むしろやっていないと社員の心身不調の原因になりかねないから実施されていないところは今一度働き方について考えてみた方が良いと筆者は思う。
クールビズ期間中にあえてスーツを着ることで

そんな過ごしやすさ・働きやすさ・心身の安全の保護の目的に実施されているクールビズだが、これを利用することで仕事、特に営業活動で有利に取引を進められる場合がある。
クールビズ制度は、今ややって当然、あるのが普通というような風潮があるということは上記で言った通りだ。昨今の気温上昇や熱帯気温の期間の長さからみてこれは妥当な動きだといえよう。
この”妥当さ”を利用する。
取引先の会社はもちろん、クールビズがあるということは知っているだろうが、やっぱり身なりがきちんと整った営業マンに仕事を任せたいと心のどこかで考えていることがある。
だから、暑い日であろうとも、上下しっかりとスーツを着て、ピッシリとネクタイを絞めている営業マンをみると、「クールビズがあろうにもかかわらず、暑い中、身なりを整えてくれている」という印象を受け、「うちにそこまで敬意を払ってくれているんだ」という誠実さを与えることができる。
この誠実さこそ、仕事上での取引相手の”信頼”を得る鍵となるのだ。
「暑い中上下のスーツを着る。それもクールビズという広く認知されている推奨服装があるにも関わらず。」
この「この状況にも関わらず」ということがキモ。
これがあることによって、通常よりも大きな誠実さを表すことができ、それが大きな信頼感につながる。
ちなみに”信頼感”を仕事でもプライベートでも作ることについては別の記事で解説しているのでそちらも見てほしい。

筆者が夏でも上下スーツで営業回った結果

なんでこのようなことが言えるのか、というのは、筆者が実際に体験済みだからだ。
筆者は新社会人になって、営業に配属されたばかりの頃、ワイシャツ(正しくはシャツ)のみでネクタイもせず、第一ボタンを開けて、長袖をまくって営業を回っていた。
これは確かに頑張っている感はある。だが、身なりが整っているかと言われると、全く身なりは整っていないと言って良い。
「身なりが整う」というのは、自分の格好が汚くないとかそういう自分視点の判断に陥りがちだが、実際は違う。身なりが整っているということは、「相手に礼儀礼節感を与える格好」ということだ。
つまり、「身なりが整っている」というのは自分で判断するものではなく、相手が判断するものであり、相手のために行うことだということを知っておかなければいけない。
これを筆者が新社会人の頃わかっていなかったため、取引先からこっぴどく叱られた。そこで、取引先から「オーダースーツを買ってこい」と言われたことがキッカケで、オーダースーツを着始めたわけだ。
このオーダースーツのおかげで、身なりに気を使うようになり、それと同時に取引先からの反応も良くなった。この過程を踏まえて、夏でもスーツを着るようになって、取引先と良好な関係性を作っていったという経緯があるため、筆者はいつでもスーツを着ることを推奨する。
実際の筆者がクールビズ期間中にスーツを着て営業に回っていた時の体験談もある。
取引先の印象が良かった
クールビズ期間中に上下スーツでネクタイを絞めて営業を回っていた頃、取引先の印象がめっぽう良かった。
実際に取引先から「こんな暑いのに身なりがしっかりしてるね」「他の営業マンとは違うね」「こんな暑い中、スーツを着て回ってくれてありがとう」というような声を貰った。
ここで驚きなのが、「暑苦しいんだからやめろよ」というようなマイナスな印象を受けているであろう言葉は貰っていないということだ。
どこにいっても全員良い反応をしてくれた。
取引先から飲み物がもらえる
取引先からの印象が良いなと思ったのは、何も取引先がくれる”言葉”だけではなかった。
実際に”物”を貰ったこともあった。
「よくその格好できてくれたね。何か飲む?」というように、飲み物をくれた。
飲み物に限らず、ゼリーをくれたり、色々な食べ物をいただいた。
誠実さが伝わって、その返答が返ってきたような感じだ。
飛び込み営業の成功率が上がった
筆者は”ルート営業”という既存取引先へ回る営業を行っていたのだが、その営業の中でも「新規契約」という新しい取引先も見つけなければいけなかった。
アポイント(約束)を先方と交わして、商談して新規契約するというような契約方法もあったのだが、筆者が得意としていたのは「飛び込み営業」だ。
この飛び込み営業というのは、いわばゲリラ的に店・会社に営業をかけることだ。
この飛び込み営業の成功率が異様に高く、同期の中で一番の新規取引先契約件数をとらせてもらったこともある。(筆者だけの力じゃないが)
新規飛び込み営業というのは、通常であれば成功率がかなり低い。だって、突然営業マンが来て「うちと取引しませんか?」と言ってくるんだから、最初から警戒心マックスの状態で取引を交わさないといけない状況であるのだ。
ではなぜ、筆者が上手くいっていたのかというと、やはり、上下スーツを着てネクタイを絞めて営業周りをクールビズ期間だろうがずっとやっていたからという要因が大きい。
というのも、筆者がオーダースーツを着る前の飛び込み営業は全く相手にしてもらえなかったのが、スーツを着始めてから格段に話を聞いてもらえる回数が増えたからだ。
このことから、クールビズ期間でもスーツを着ることで営業に良い変化が生まれるかもしれないと言える。
汗だくになった
良い部分だけじゃなく、ちゃんと悪い面も伝えていくのがヨワタリの基本理念。
クールビズ期間にあえてスーツを着て営業に行くことで、とにかく汗だくになる。本当に熱中症になるんじゃないかってくらいだ。
だから、もしクールビズ期間中にスーツを着ようとしている人は、本当に体調管理に気をつけてほしい。
特に暑い期間でのスーツ着用は”上手く”着ることが重要だ。
周囲から必ず何か言われる

クールビズ期間中にスーツを着ていると、必ず周囲から何か言われる。
筆者はこれが嫌だった。
心配して言ってくれていることはわかるのだが、それがなおさら筆者の「気にせんといて」心理が働く原動力となる。
確かに、クールビズは国が推奨しているものだし、企業的にも前面にやっている感を出して「働きやすさ」をこれから入社するであろう学生や社会人にアピールしたいというのはわかる。
それによって、周囲と違う行動をとっている、いわば、”異分子”に対して、気が回ってしまうのはいなめない。
だから、クールビズ期間中にあえて”スーツを着る”のは、上手くやらないといけない。
クールビズ期間中に上手くスーツを着るために

では、クールビズ期間中に上手くスーツを着るためにはどうしたら良いのか?ということだが、筆者は以下の3つに注意しながら着るのが良いと思う。
車に乗って営業なら車内を活用する
筆者は車に乗って毎日営業回りを行う仕事だったため、車を上下スーツを着るための隠れ蓑に利用することができた。
社内ではクールビズのスタイルでいき、鞄の中にジャケットとネクタイを忍び込ませ、車内でネクタイとジャケットを着ていた。
また、車内であれば誰からもみられないから、車内だけクールビスの格好をして、取引先に着いた時にスーツを着れば良いということだ。
会社に上下スーツを置いておく
会社に上下スーツをおいておくのも一つの良い手段だなと思う。
社内であれば空調が効いているから、ぶっちゃけ上下スーツを着ても熱中症になるほど暑くはないだろう。
それと、会社に上下スーツをおいておけば、出社時は涼しい動きやすい格好で出勤することができるという点も良い点だ。
社内ではクールビズに擬態しておく
これは上記と重複してしまうけど、とにかく「周囲に指摘されない」ということが一番だと引っ込み思案な筆者は考えている。
引っ込み思案は周囲から注目を浴びてしまうと、その場にいるのが辛くなる。
これを防ぐには「自分あたかもクールビズに従ってますよ」という顔と格好をして擬態することが大切だ。
擬態することで、クールビズに従っている周囲から注目されなくて済むし、変に気を使う必要もない。
社内では従ったふりをして、会社から出て営業回りに行く時に鞄からスーツを取り出して着替えれば良いのだ。
まるで、サムライミ監督版のスパイダーマンの変身シーンみたいじゃないだろうか。その二面生、カッコ良いと思う。
クールビズ期間中にスーツを着る時のコーデ

ここからは、筆者のオーダースーツのフィッターとしての経験から、クールビズ期間中に着ると良いスーツのコーデを紹介していきたいと思う。
フィッターと言ってもそんな大きな口は叩けるもののほどでもないが、少しでも参考になれば良いと思う。
明るめの紺スーツ

暑い季節は「明るめの色の生地」で作られたスーツが非常に季節とマッチしていて見た目が良い。
そして、主に新社会人や20代の若めの社会人では、誠実さや爽やかさという印象を与えやすい「紺」系のスーツを選ぶのが良い。
以上の二つにマッチするスーツが「明るめの紺のスーツ」となる。
明るい紺ストライプネクタイ

「明るめの紺のスーツ」に合わせるのは、同じ明るめの紺の”ストライプ”ネクタイがおすすめだ。
明るめの”無地”の紺ネクタイにしてしまうと、無地系のスーツを選んだ時に、馴染みすぎてしまい、のっぺら感が出てしまい、全体的なバランスがぼやけてしまう。
これを防ぐために「ストライプ」という少しアクセントを加えたデザインのネクタイを選ぶのが良い。
シャツは白or薄青の通常シャツ

スーツ業界にいると、一つのものの言い方を正しい言い方でお客様に伝えなければならない。
その中の一つである、巷では「ワイシャツ」といわれているものだが、これは本来「シャツ」という。なので、ここでは「シャツ」と書いていく。
このシャツはクールビズでも”長袖”を着ることをおすすめする。
なぜなら、長袖のほうが上下スーツを着たときに着用感と見た目が良いからだ。
半袖のシャツもあるが、確かに風当たりが良く、涼しく感じることはあるのだが、日がダイレクトに当たるため、日焼けをしやすいし、熱による体力消費も激しい。あと見た目もカッコ悪い(個人的に)。
そして、シャツを選ぶなら、紺色に合う、白のシャツと薄青の無地のシャツをおすすめする。無地であれば何のスーツでもあえやすいし、コーデもしやすい。
色は夏の暑い季節にぴったりだ。
クールビズを利用することで取引先からの信頼を得る
クールビズという心身を守りながら過ごし・働くことを推奨する取り組みがあるにも関わらず、クールビズとは真逆の格好を行うことで、仕事、特に営業で取引先からの信頼を得るということについて綴ってきた。
ただ、これは何も「クールビズの間でもスーツを着なきゃだめだよ」というものではなく、取引先から信頼を得るための一つの方法として参考にしてもらえれば良い。
あとは、必ず自分の心身の安全を優先することだ。
いくら信頼感を得られるとはいえ、自分の体を犠牲にしてまでも取り組む必要はない。もっと良い手があるはずだ。
しかも、必ず成功するとは限らない。
まずは色々と取り組んでいくことで、自分なりの方法は見つかっていくと筆者は思う。
今回の記事が読者の皆さんの何かの参考になれば嬉しい。
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