相談に乗る上で”正論”が人を傷つけることもあるっていう話

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人間関係っていうものはめちゃくちゃ難しい。その難しさを構成している一つは「相手の立場に立って言動・行動する」ってことだと思うんです。

自分と違う他者というのは自分と全く違う人生を歩んできていて、性格も感受性も、価値観も違うわけで、そういう人の”気持ちに寄り添う”ということ自体が難易度が超高い。

けれども、人生の中で、自分以外のいろいろな人と出会い、関係していく中で、「人の気持ちに寄り添う」っていうことが必ず必要になってきますよね。

「人の気持ちに寄り添う」っていえば、”相談”っていう行為が思いつきます。

この”相談”っていう行為も人間関係の中で難しいものです。

相談の中で相談されたときに”正論”を言ってしまうと、かえって、相手を傷つけてしまう。こんなことが起こってしまうんです。

これはなぜかというと人間関係において大事な「人の気持ちに寄り添う」っていうのができていないから。

今回は相談の中で正論がときに人を傷つけてしまう背景について深堀りしていきたいと思いやす。

この記事でわかること

・人の相談に乗るとき正論が人を傷つけてしまうワケ
・相談に乗るときの心構え
・相手が相談の中で欲しているもの

この記事の著者

文筆家
たくしん
takushin

プロフィール
  • 野球歴13年 小学〜大学まで
  • 主にキッチン、接客、フィットネスインストラクターのアルバイトを経験
  • 吃音症歴20年
  • オートローン会社(金融業界)に1年半在籍
  • スーツ生地メーカーのオーダースーツ販売店に約4年在籍
  • 百貨店販売員経験あり
  • 読書を月10冊ほど
  • 筋トレ歴約7年
  • “モノ”をあまり買わない・持たないタイプの人間
  • 文章を書く時に一番饒舌になるタイプの人間

目次

人の相談に乗るのは意外と難しい

人の相談に乗るのは意外と難しいです。

単純に考えると、相談、例えば「職場の人間関係がうまくいかない」「仕事がうまくいかない」「この先のキャリアに悩んでいる」など、いろいろな相談内容が考えられると思いますが、これらに適切な答えを出してそれを相談してくる人に返せば終わる話です。

ですが、これで終わらないのが人の”相談”ってやつ。

相談をしたのに解決しない、相談をしたのになんかまだ頭の中にモヤがかかっている。なんてことがあるのは、上記のように「相談」を解決していないから。

もっというと、”相談”の中の「人が本当に求めていること」を相談を受けた人が与えられていないから。

これだから”相談”って難しいんですね。

単純に考えると悩みに適切に答えるだけだと、この「悩みの答えを出す」っていうのが難易度が高いっていう話です。

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ときに正論が人を傷つけてしまうこともある

この人間関係における、”相談”というコミュニケーションの中では、「人を傷つけてしまう」ときもあります。

相談っていうのは自分の中の悩みを人に話して、その悩み解決、悩みが原因で発生している心の中のモヤモヤを解決するっているのが目的だと思うんですけど、この目的を達成しないで、さらに心のなかに新たなモヤモヤを生んでしまったり、心を傷つけてしまったりしてしまう場合があります。

相談の中で人を傷つけてしまう要素の一つとして考えられるのが「正論」っていうもの。

最近だと、この正論ブーム?で困っている人も多いと筆者は勝手に思ってます。

例えば、ネット上で「正論なんだけど、どうも納得できないんだよな」っていう某有名配信者の発言とか、ネット情報っていうのが転がっています。

で、このネットで溢れた情報をもとに現実でも「それって論理的に正しくないですよね?」とか「それはあなたの感想ですよね?」とか…”某”が意味をなさなくなってきてる。

そういうことをいう人が増えているなんてことをちらほら耳にする今日このごろ。

確かに”正論”っていうのは大事だと筆者は思います。正しい論述が正しい結果に結びつくこともあれば、正しい判断・決断を下すこともある。

ただし、正論を追い求め、他者に対しても正論を求めることで、「人を傷つけてしまう」場合もあるってことは、”正論”を人のために使っていくうえで重要になってくると筆者は思うのです。

で、人の相談っていうのにも、正論を振りかざしすぎると、人を傷つけてしまうんですが、なんで”正論”が人を傷つけてしまうのかっていうことを考えてみようと思います。

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”正論”が人を傷つけてしまう考えられる原因

正論が人を傷つけてしまう原因は色々と考えられますが、筆者が考えた原因は以下の5つ

たぶん、人の相談の中で”正論”をいうことで相手が傷ついてしまう原因はこの5つに集約されるんじゃないかなって思います。

また新たに正論が人を傷つける原因が見つかったら逐一更新していきたいと思います。

・バカにされてる感覚
・正論と対面する気力がない
・淡白さ(寄り添っていない感)
・言い方がきつい
・求めているものと違う

バカにされてる感覚

人の相談に乗っているときに、その相談に対して”正論”で返すと、相手によっては「なんかバカにされているな」って思ってしまう人もいると思うんです。

これは相談に足しての答えの「言い方」にもよると思うんですが、「言っていることは正しいんだけど、なんか上から目線で言われているような気がする」という感覚に陥らせてしまう場合があると考えられます。

例えばそれは、相談に対して「これこれこういうことがあるから、こうなってしまうんだよ。だからこうした方が良いよ。」と、ちょっとアバウトですが、こんな感じで答えたとします。

すると、なんだか「自分の知識をひけらかして正論を言っている」そういう感覚になりはしないでしょうか?

なんか「そんなこともわからないの?ちょっと考えればわかるよね」っていうようなニュアンスが含まれている感じ。

正論には言い方にもよりますが、こんな「バカにされている」ような感じを相手に与えてしまうことが筆者が考える人を傷つける原因です。

正論と対面する気力がない

相談に対して正論を言うのは、相談の答えとしては良いとは思うんですが、その一方で、相談で大事な「相手の気持ちに寄り添う」っていうことができていない場合がでてきちゃうと筆者は思います。

相談する人っていうのは、自分では気持ちが抱えきれないから他人に相談することが多いと思います。

その気持が抱えきれていない状況では、「正論と向き合う」ってことが難しいと思うんです。

「あっているんだけど、その現実と向き合うのが辛い」っていう状態ですね。

例えば、職場の人間関係がわかりやすいです。

「職場で嫌な人がいる、意地悪される」っていう悩みがあったときに、「その人とかかわらなければストレスを感じることがないんだから、その人を避ければ良い」っていう筆者が思う正論を言ったとしましょう。

これは正論にはなりますが、その答えを実現するにはちょっと難しい気がします。

結果、相手は相談したにも関わらず、さらに気持ちが落ち込んでしまうっていう状況に陥ってしまうなんてことも考えられるわけです。

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淡白さ(寄り添っていない感)

相談の中で”正論”を答えると、相手からしたら「自分の気持ちに寄り添ってくれていない」という感じを芽生えさせてしまう可能性があります。

前述したことと重なる内容にはなるんですが、正論がその相談しに来た人を解決へと導くとは限らないんですよね。

これは「相手の気持に寄り添っていない」から起こることです。

後述しますが、相談と言っても、「解決案が欲しい場合」「同感してほしい場合」といろいろな場合が考えられるわけです。

例えば相談内容が「職場の人間関係が悪くて、辛い」というものだとして、相談者が求めているものが「その悪い環境にいることへの同情であったり、相談者が思っていることへの同感」だとしましょう。

このときに、「人間関係が辛いなら、転職か部署異動をするのが良い。上司に相談してみなよ」と答えたとして、この場合、相談者からしたら「そうなんだけど、そうじゃない」状態になるわけです。

相談に答えた人は「相談内容」から答えを出しただけであって、相談者が抱えている気持ちに寄り添えていないのが、この答えからわかります。

こうした場合、相談者は回答への「淡白さ」を感じてしまい、傷ついてしまうっていうわけですな。

難しい。

言い方がきつい

相談に限らず、人と会話をしているときに傷ついてしまう要因として考えられるのが「言い方のきつさ」です。

言い方のきつさに関しては、人によって言葉の受け方が変わるので、一概に「この言い方がきついよ」っていう例を上げるのは難しいですが、「きつい言い方」として考えられるのが、相手の属性にあっていない言い方です。

例えば、相手が打たれ弱い人だった場合、相談をされたときの答えを論理的にまくしたてるように言うと相談者は傷つきやすくなってしまいます。

逆に真面目なことが苦手な相談者に、真面目に正論を振りかざすことで、「ちょっと違うんだよな…」と感じさせてしまうかもしれません。

相談者に合わせた言い方が大事ってことですね。

求めているものと違う

これも似ている原因ですが、相談に対して正論を言ったところで、その正論は相談者が求めていないものだった場合に、相談者が傷ついてしまう可能性があります。

相談者は同感してほしかっただけなのに、具体的な解決策を提示されてしまった。こんなとき、相談者からしたら「正論だけど、そうじゃない。この人は自分のことをわかってくれない」という感じの傷つき方をしてしまう可能性があります。

この相談と返答の齟齬をなくすには、相談者がどういう人なのか、相談者は何を求めているのかを相談者に直接聞くのが一番の解決策だと筆者は思います。

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相談に乗るときの心構え

では、人の相談に乗る時はどういった心構えで受けなきゃいけないんだということですが、筆者的に3つの心構えをもっておけば、相談者に対して傷つけないような回答を返せるのではないかなと思います。

相談3つの”心構え”

・相手は何を求めているのかを意識
・できるだけ”否定”しない
・本当にそれは”正論”なのか?を言う前に考える

相手は何を求めているのかを意識

相談をしてくる人は”何を求めているのか”それを意識することで、自然に「相手が求めている答え」を何となく感じることができます。

相談してくる人が何を求めているのか?を意識することで、相談してくる人の言葉や仕草から「相手はどういう心理状態なのか」っていうのを感じ取れるようになるからです。

心理学でいうところの「カラーバス効果」ですね。

カラーバス効果っていうのは、ある特定の情報に意識を向けることで、意識したことに関する情報が自然と目に付くっていう人間の心理です。

人との会話において、”意識”っていうのは大事なことっていうことですな。

できるだけ”否定”しない

相談してくる人がたとえ間違ったことを言っていたとしても、頭ごなしに否定してしまうと、相手を傷つけてしまう可能性がかなり高いです。

相手からしたら、悩みに悩んで導き出した答えかもしれません。頭ごなしに意見を否定することは相手の労力を完全否定することになってしまいます。

相談を受けたら「とりあえず否定しない」ということを意識しておいたほうが下手なことを言わないですみます。

本当にそれは”正論”なのか?を言う前に考える

”正論”といっても、人によっては間違った答えであることがあります。

自分の経験や知見からしたら、正論かもしれませんが、相手の経験や知見からしたら正論ではないかもしれない。世間からしたら正論かもしれないけど、相談者からしたら正論じゃないかもしれない。

そんなことはこの世の中にごまんとあります。

ですから、自分が正論と思っていることに対して疑いの目を持つこと、こうすれば下手に正論を相手にいうことがなくなります。その正論が間違っているかもしれませんからね。

正論というのは一見、抜け目のない論理的なものに見えますが、その答えにたどり着くまでの過程の中に「間違ったこと」があると、正論の信憑性が揺らいでしまうものです。

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相談の中で相手が欲しがってること

次に、相談の中で相談者を傷つけてしまわぬようにするのに大事なことである、「相談者が求めていること」についてちょっと想像してみると良いと思います。

相談者が欲しがっていることを知っておくだけで、「相談者が何を求めているのか」を意識するときの指標になり、相談者が求めているものを見やすくなります。

同感・同意

これはよく聞くやつです。

「相談したのは自分の感情に同感してほしかったから!、自分の考えに賛同してほしかったから!解決案を求めているわけじゃない!」って怒られるやつです。

この場合、相談者からしたら、相談者の中ではもう答えが決まっているわけです。

その答えに対して同感や同意、賛同してほしいというのが相談者が求めているものです。

これを汲み取れずに、解決案を論理的に述べても相手からしたら「そうじゃないのに…」となってしまいます。

解決策

これは具体的に相談に対して「解決策」を知りたいっていうものです。

相談者からしたら、現状を打開する具体的な解決策を知りたくて相談してきていて、このときに「辛かったね」「それは大変だ」というような形式的な同感・同意は必要ないわけです。

「同感・同情・同意してもらうために相談したわけじゃない!」って相談者はなってしまいます。

解決策が欲しい人は「どうしたら良いかな?」とか「〇〇さんはこの場合どうする?」というような具体的な行動について聞く場合があります。

気づき

相談者は解決策とか同感とかがほしいわけではなく、単なる「自分にはない価値観・視野」がほしい場合があります。

相談者がもっていない感覚や、視野を知って、「そういうこともあるのか」というような相談者の中の「納得感」を得たいときなんかが考えられます。

「〇〇さんはどう思う?」「〇〇さんならこういうときどう考える?」など相手の”考え”について聞いてくるときはこの意図がある場合があります。

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自分と同じ人はいないから難しいけど、それが人間

人間関係における「相談」っていうのはなかなか難しいですよね。

今回「相談の背景」について深堀りというか、考えてみましたが、筆者が書いているうえでも「なんだこれ、人って難しいな」って思っちゃいますもん。

まぁしょうがないですよね。人って自分と全く同じような考えとか価値観とかを持っている人っていうのはかなり少ないですしね。

しかも、人口もごまんといるときたら、自分と違う考えを持っている人だらけなんですから、人と関係していくうえで、コミュニケーションの難しさっていうのを感じてしまうのは当たり前になっていまいます。

今回筆者が考えてみた「相談」に対してのことは必ずしもこれが正解ってわけじゃないです。

あくまでも筆者が生きたうえで得たことなので、人からしたら間違っていることもあると思います。ただ、こんなふうに「正解はない」って思っているだけで、人から相談を受けたときに相談者を傷つけないようにできるって思えば今回の記事は少し役に立つのかなって思っちゃったり。

世の中にはいろいろな人がいて、人間関係は難しい!だけど、その人間関係を少しでもよくするようなヒントがこの記事で得られたらベリーオッケーだと思います。おわり。

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著者

「処世術、ときどき本音で語るモノ話」をテーマにしたブログを運営する執筆者。普段は優しい心を持つが感情が昂ると金色の戦士と化す。筆者自身モノを捨てれない人だから本当に良いと思ったモノしか持たない人。「半真面目」が自己自認。記事は全て自分の手で書いてます。読んでくれている読者の皆さんに感謝する毎日。

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