どうもこんにちは筆者です。
接客業で働いていると、商談の中でお客様に「良い接客」と思ってもらえているかどうか、気になりませんか?
「良い接客」を行う為には、お客様とのやりとりの中で「お客様の反応」をしっかりと見極める必要があります。
もし、お客様が”良い反応”をしてくれているのであれば、その後の提案に前向きに考えてくれる事にもつながりますし、商談が終わった後も「良い接客だった」と印象に残り、また来店してくれるかもしれません。
このように「良い接客」には「お客様の反応を見極める」というテクニックが必要です。
今回はこの「接客時のお客様の反応の見分け方」を筆者の知見を通して解説していきたいと思います。
筆者はアルバイトでの接客を含めると約5年ほど接客業を行っております。その経験の中で気がついたことを中心に今回書いていきたいと思いますので、実践的な参考になると思います。
この記事でわかること
・お客様の反応を見分ける為に注目すべき箇所
・お客様の良い反応・悪い反応の見分け方
・良い反応を得る為に意識すると良いこと

文筆家
たくしん
takushin
プロフィール
- 野球歴13年 小学〜大学まで
- 主にキッチン、接客、フィットネスインストラクターのアルバイトを経験
- 吃音症歴20年
- オートローン会社(金融業界)に1年半在籍
- スーツ生地メーカーのオーダースーツ販売店に約4年在籍
- 百貨店販売員経験あり
- 読書を月10冊ほど
- 筋トレ歴約7年
- 文章を書く時に一番饒舌になるタイプの人間
接客時に見るお客様の反応箇所

接客時にお客様の反応を見る時に、「お客様の気持ちを汲み取る事ができる」箇所は以下の9箇所です。
①口角
②頷き
③言葉の相槌
④目線
⑤体の向き
⑥言葉
⑦声のトーン
⑧腕組み
⑨眉間
これらの箇所を意識的に見てみると「お客様がどう思っているのか」を判別するヒントを得られます。
詳しく見ていきましょう。
①口角
接客時にお客様の「口角」に注目してみてください。
上に上がっているのか、強くつぐんでいるのか、開いているかなどでお客様の「感情」をある程度読み取る事ができます。
Katsikitis,Pilowksy&Innesらの研究が参考になります。
Katsikitis,Pilowksy&Innesらの研究
コンピューターで生成された顔の線画が、その線画を作るのに使った写真と同じ反応をその線画を見た人が感じるのか。を調べた。
・コンピューターが生成した線画は「口、鼻、目、眉、顔の輪郭」からなるもの。
・12の顔の寸法がコンピューターによって作られた。
↓
口角の上がり
口の幅
口の開き
上唇中央の上がり
下唇中央の上がり
上唇の厚さ
下唇の厚さ
目の開き
上まぶたと虹彩の重なり
下まぶたと虹彩の重なり
眉毛間の離れ方
眉毛中央の上がり
と名付けられた。
・この12箇所は幅広い範囲の感情表現を説明するので選ばれた
・結果、「実験参加者はコンピューターで生成された画像と実際の写真から感情表現をかなり等しく認識し、解読できた。」
=つまり、線画であろうが、写真であろうが、自画像であろうが一般的に使われる基本的な顔の感情表現をかなり正確に判断できるということ。
参照文献:非言語行動の心理学 p86
以上のように、お客様の口の動きというのは様々な感情を汲み取るのに重要な箇所だということがわかります。
②頷き
接客時の会話の中でお客様がどれだけ「頷いているか」ということからも相手の気持ちを汲み取る事ができます。
相手が頷くのは
・説明に感心している
・自分が思っていることと一緒のことを言っており納得している
・話をちゃんと聞いていると知らせる為
など
主に「前向き」な気持ちを抱いている事が多いです。
筆者が接客の最中にお客様が頷いており、その最中に怒るということはありませんでした。
③言葉の相槌
相槌は相槌でも「言葉」の相槌です。
・はい
・ええ
・なるほど
など
相手が平常心で話を聞いている時はこのような「話を聞いています」というような言葉の相槌をしてくれます。
ただ、言葉の相槌をしてくれなかったり、「う〜ん」などといった相槌は「納得していない」「疑問がある」などの「後ろ向きな感情」を抱いている事が多いです。
このように「言葉の相槌」で相手の気持ちが「プラスかマイナスか」を汲み取る事ができます。
④目線
「目線」も大切な相手の反応をみる箇所の一つです。
目線では「興味」を汲み取る事ができると考えています。
接客の会話の最中に明後日の方向を見ていたら、「興味がない」ということを汲み取る事ができます。また、あまり明後日の方向を向くことはないと思いますので、具体的な例を出すと
・商談中、資料ではなく自分の体の一部に気を取られている
このような視線の動きで”相手の興味のあるなし”を判断する事ができます。
ただ、この視線の動きは「アイ・アクセシング・キュー」という”目の動きから脳がどの感覚にアクセスしているか”という一節もあるので、一概に「興味」とは言い切れませんが、筆者の接客経験上、相手の興味が低いことを判別する時に視線の動きを見ていました。
⑤体の向き
体の向きも相手の反応を見る箇所の一つです。
接客中に相手の体がこちらをしっかりと向いていたら、相手は「この話に興味がある」ということを示していると考えています。
これは筆者の法人営業から分かった事です。
法人営業では新規に飛び込み営業をかけており、その時にあからさまに営業に興味のない人は営業には付き合ってくれますが、話の内容には全く興味を示していませんでした。
「全く興味を示していなかった」のは何で分かったのかというと、まさに”体の向き”です。
営業中、体の向きが筆者に向かって右の方向に向いていました。その営業はうまくいかず契約とはなりませんでした。
この経験から、体の向きは相手の”興味”を示す一つの行動なのではないかと感じたわけです。
⑥言葉
言葉自体からも相手の反応を汲み取ることはできます。
例えば
・良いね
・すごいですね
・興味深いです
など
言葉自体から良い印象であることを汲み取る事ができるものもあれば、
・よくわからない
・何が良いの?
・〇〇はダメじゃない?
など
悪い印象を受ける言葉もあります。
ただ、ここで注意したいのは、良い印象の言葉であっても「建前」なことがある。ということです。
本当は良く思っていないけど、波風立てず良いと言っておこう。このような”気遣い”が本当の印象を隠してしまう事があるのです。
ですので、言葉のみで相手の反応を見分けるのは難しいというのが実際です。ただし、一つのヒントにはなります。
⑦声のトーン
相手の声のトーンからも相手の反応を見分ける事ができます。
トーンが暗いと…
・腑に落ちない事がある
・嫌な気持ちを抱いている
など
マイナスな印象が生じている場合があります。
逆にトーンが明るいと…
・情報に感心している
・楽しんでくれている
など
「良い印象」が残るような接客ができていることを汲み取る事ができます。
⑧腕組み
結構具体的な行動にはなりますが、「腕組み」で相手の心情を汲み取る事ができます。
「腕組み」は”自己防衛”や”警戒”など、マイナスな印象を受けやすいですが、マイナスな印象だけではないと筆者は考えます。
「腕組み」は”考えている”時にも行う動作です。つまり、商談の内容を本気で考えているという”前向きな姿勢”と汲み取る事ができるのです。
もちろん、「どのタイミングで腕を組んだのか」というのが見分ける時のポイントになります。
接客の序盤で相手が腕を組んでしまったら「自己防衛」「警戒」などのマイナスな心情が働いていると考えられますが、一通り話し終わった後で腕を組むと、「深い思考」という心情を汲み取る事ができるのです。
なぜここまで言えるのかといいますと、筆者が実際にそうだからです。
⑨眉間
眉間も相手の反応を見分ける時に重宝する観察箇所です。
特に相手の「不快感」を汲み取る事ができます。
接客の途中で眉間に皺を寄せているのであれば、
・腑に落ちない感じ
・疑問が生じている感じ
という一概にマイナスとは言えませんが、何か相手の中で生じている場合があります。
この時は、「何か疑問点はございますでしょうか?」など相手の心情を汲み取る言葉を投げかけてみると、「相手がどう感じているのか」を判明させる事ができます。
良い反応・悪い反応

接客時に相手の反応を見る時、「良い反応」と「悪い反応」を知っておかなければ、「良い接客」と相手に思ってもらうという目的を達成させる事が難しくなってしまいます。
この項目ではお客様の「良い反応」と「悪い反応」を筆者の実体験も踏まえてそれぞれ紹介していきたいと思います。
良い反応
筆者が経験した接客業の中でお客様は次の反応があった場合、”良い反応”といえます。
・ちゃんと視線が提示している商品、資料の方に向いている
・細かい頷きがある
・「なるほど」というような納得している言葉を発する
・微笑みと共に「良いですね」
以上のような反応がお客様にあれば、結構手応えが良かったです。
実際に法人営業の際にこれらの反応があって新規で契約を取れた体験もあります。また、接客業である「オーダースーツの販売」においても、この反応があり、お客様の理想とするスーツを作る事ができ、喜んでいただけました。
上の良い反応の例を細かく見てみると、相手の興味度合いを示す「視線」があげられているのがわかります。
また、相手の「ふに落ち度合い」を測る「頷き」や「なるほど」というような言動もあります。「頷き」については、”細かい”というのがポイントです。
端的な「頷き」はあまり良い印象に写っているとは限りません、視線がこちら側に向きながら、細かく頷いていることで、「本当に納得している、共感している」ということを汲み取れます。
「微笑み」と「良いですね」という文言については、”発言”と”表情”という心情を汲み取る動作が2種類みられ、一貫性があることから、かなり信憑性の高い「良い印象」の証だと考えます。
悪い反応
お客様が”悪い反応”だと以下のような特徴が見られます。
・視線がこちらを向いていない
・貧乏ゆすりをする
・ため息をする
・「はい」を少し強めに連呼する
このような反応だと相手に「良い印象」を与えていないという目印になります。
実際にこれも筆者が経験したことです。
このような反応がもしお客様に見られた場合、筆者は即座に話題を切るか、できるだけ早く要点を押さえて話を終わらせる、自分の不手際を確認する。というような処置に出ます。
「相手が何に対して不快感を感じているのか」ということを引き出すというのがポイントです。
もしこのような反応があった場合、「相手は何に対して不快感を得ているのか?」ということを考え、
・相手に聞いてみる
・相手の不快感を予想して対応する
という2パターンの対応をするのが良いです。
この「相手の不快感を予想して対応する」というのは、例えば、少しでも腕時計など”時間”を気にしている動作があれば、「時間がないのかもしれない」ことを考え、上記の通りに「なるべく早く端的に要点を絞って説明を終わらせる」という行動を起こします。
ただ、これは相手の観察と、少しの経験が必要になるので、初めのうちは相手に「何かご不明点等ございますでしょうか」「不手際はありませんでしたでしょうか」と聞いてみると良いです。
もし反応が悪かったら考えられること

もし相手の反応が悪かったとして、考えられる原因があります。
この原因を知っておくことで、「相手の不快感を予想して対応する」という行動ができるようになります。
以下の4つの原因を参考にしてみてください。
・ニーズに合っていない
・緊張している
・言語化できない
・言いにくい雰囲気
ニーズに合っていない
そもそも説明している事が相手のニーズに合っていない場合があります。
その場合は、「ヒアリング」が足りません。
相手の反応を見て、眉間に皺を寄せていたり、首を傾げていたりというような「疑問符」が浮かんでそうな行動をしていたらあなたが話していることは「ニーズに合っていない」ことが考えられます。
緊張している
相手の反応が悪い時、一概に「悪い印象」を与えてしまっている、とは言い切れません。
もしかすると、「緊張」しているのかもしれません。
相手が「緊張」していると、声が小さかったり、体全体が萎縮していたりという特徴が出ている事があります。
その場合は、実際の接客の前に「アイスブレイク」が必要になります。
言語化できない
こちらも悪い反応=悪い印象ではない場合です。
お客様の頭の中には漠然と思い浮かんでいるのだけど、うまく言語化できないという時にも、眉間に皺を寄せたり、腕を組んだりという特徴が見られます。
この時の眉間の皺のより方は、眉間の皺と一緒に目を瞑ることがあります。
これは”不快感”ではなく”何かを考えている”ことが多いです。
言いにくい雰囲気
これは悪い印象を与えてしまっていますね。
お客様自身思うことはあるのだけども言いにくい雰囲気をお客様自身が感じた時、苦い顔をしたり、「うーん」と唸ったりというような悪い反応が見られます。
この言いにくさというのは次の項目で説明します。
反応が悪かった時にやらない方が良いこと

相手の反応が悪かった時にやらない方が良いことがあります。
これをやってしまうと、さらに悪い印象を与えたり、悪い印象を与える要因である「言いたいことを言えない空気」を作ってしまうことにつながります。
以下の2つをみてみてください。
追い提案
相手が悪い反応をしているにも関わらず、その相手からの無言のアピールを汲み取らずに、新しい提案や、それまで提案していたことをさらに提案するという行動は避けた方が良いです。
なぜならば最初の提案の時点ですでに相手に悪い印象を与えてしまったからです。
悪い反応が見られたら即座に悪い印象を与えている原因をみつけ、それに対処する必要があります。
追い提案をしないように気をつけてください。
マシンガントーク
マシンガントークは相手に”喋らせない”という状況を作ってしまいます。
相手と会話をすることが商談であるにも関わらず、自分が一方的に話し、尚且つ、それが止まらないとなると、それは会話ではなく言葉の壁打ちです。
相手の話す隙がありませんから、悪い印象を与えてしまう要因である、相手が思っていることを「言いにくい雰囲気」を作ってしまうのです。
しっかりと”会話”を意識すると良いでしょう。
良い反応をしてもらうためにできること
相手の良い反応を見分けることの目的は「相手に良い印象を与える」ことであり、「良い接客だったな」と思ってもらい、再訪問していただくことです。
そのために良い反応をしてもらう必要があります。その中で、良い反応をしてもらうためにできることがあります。以下の3つを参考にしてみてください。
笑顔を意識する
笑顔を意識してみてください。
やはり、笑顔は相手に無条件に良い印象を与える事ができます。
・笑顔でいらっしゃいませ
・無表情でいらっしゃいませ
接客業ではどちらが相手に良い印象を与えられるのか一目瞭然ですよね。
接客の中で相手に良い印象を与えるのには、まず自分が”笑顔”でいることがポイントです。
もしマスクなどをしているのであれば、目をしっかりと笑わせるということがポイントです。
マスクをしていたら口元が見えませんので、相手はアイコンタクトであなたの情報を得ようとします。その時に目を必ずみられるので、ここは意識していると良いです。
相手の話すペースに合わせて話す
相手の話すペースに合わせて話すということも相手に「良い印象」を与える上で大切になってきます。
想像してみてください。
相手がゆっくりの話のペースにも関わらず、あなたがそのペースの2.5倍速ほどで話している姿を。
これでは相手に「圧迫感」を与えてしまう事が懸念されます。
また、これは”ペーシング”という心理的作用でも言われている通り、相手と話すペースを合わせる事で安心感が生まれ、信頼感につながるというものです。
以上のように相手に良い印象を与えるには相手との話す早さを合わせるという事が大切です。
参考文献:日本NLP協会 ペーシング
気持ちに共感する
相手に「良い印象」を与えるには相手の「気持ちに共感する」という事が大切です。
もし相手が会話の中で「今日こんな大変な事があって…」という身の回りで起きたことを話した時、「それは大変でしたね」と起こったことに対してだけの”共感”では、まだ心の距離があり、相手は「せっかく心情を吐露したのに受け入れてもらえなかった」とマイナスの印象を与えてしまうかもしれません。
「そんな事があったなんて、さぞ、お辛かったでしょう…」というように「相手がその時に感じたであろう心情に対して共感する」ことで、相手との心の距離を近づける事ができ、良い印象を与えることにつながるのです。
相手が自分の情報を提供してくれたら、それに十分に答える事が大切です。
さいごに
今回は「接客時のお客様の反応の見分け方」について筆者の経験を踏まえて解説してみました。
接客の際、お客様は言葉だけではなく、色々な部分から情報を発信しています。それらの情報をいかにキャッチして、キャッチした情報に上手くアプローチする事で、「良い接客」と相手に思ってもらうことにつながります。
これができれば、またお店に来てくれるかもしれません。
もし接客業でお客様との接し方に悩んでいる方は参考にしてみてはいかがでしょうか。
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