”こそあど言葉”という言葉をご存知でしょうか。
例えば、会社の上司から「この前会議で言った”あれ”やっておいて」と言われたことはありませんか?
この文章の”あれ”という部分が「こそあど言葉」です。
”こそあど言葉”は会話にしても、文章にしても、内容が簡潔になり文章量も減ることで情報伝達に役立ちます。
しかし、使用方法を誤ると情報が伝わらなかったり、情報の認識違いが生じてしまうことがあります。
まさに例であげた上司の言い方だと、「何のことだ?多分報告書のことかな?」と情報が不十分になり、簡潔に短く情報を聴くことはできますが、理解することはできません。
今回は「こそあど言葉」を華麗に使いこなせるように、こそあど言葉の概要について書いていきます。
- ”こそあど言葉”の概要
- ”こそあど言葉”を使う時の注意点
内向型人間
たくしん
takushin
詳しいプロフィール
インキャ、インドアという2つの”イン”を持つ者。
バリバリ金融営業➡北海道転勤➡第二新卒で転職➡関西居住➡地元に戻る。というムーブをかました5年目社会人。
今まで無事に生きられたのは周囲の”人”のおかげだと本気で思っているので、”人”に関係する悩みが多い社会人(特に新入社員や転職した人)に向けた、自分の経験から”人”に関係する悩みを解決する発信をしてます。
こそあど言葉の概要
「こそあど言葉」という言葉は何となく知っているが、詳しいことは知らないということが多いのではないでしょうか。
「こそあど言葉」というものは、”指示詞”を指す言葉のことを言います。
「こそあど言葉」は名詞や動詞、形容詞を曖昧な言葉で表し、相手に用意に伝えることができるという特性があります。
具体的に「こそあど言葉」は、場所、方向、方法、理由などを指し示す際に使われます。
例をみてみましょう。
例
こ: ここ、これ、こう、こちら
そ: そこ、それ、そう、そちら
あ: あそこ、あれ、ああ、あちら
ど: どこ、どれ、どう、どちら
これらの言葉は、話し手と聞き手の距離感や関係性、文脈によって使い分けが必要になりますが、私達は感覚的にこれを実践していると言えるでしょう。
こそあど言葉を使う時のポイント
こそあど言葉を使う時に、効果的なポイントを抑えることで、こそあど言葉を上手く使うことができ、相手にも伝わりやすくなります。
以下のポイントを参考にしてみてください。
- 話相手との適切な距離感を把握する
- 文脈に合わせて使用する
- 動作でも伝える
適切な距離感を把握する
話し手と聞き手の物理的距離や心理的距離に応じて、「こそあど言葉」の「こ」「そ」「あ」を使い分ける必要があります。
この距離を誤ると、情報が伝わらなくなってしまったりと、情報交換に支障をきたしてしまう可能性があります。
以下、「こ」「そ」「あ」の解説と例文です。
「こ」:話し手に近いものを指す
例)これは私の本です
「そ」:聞き手に近いものを指す
例)それはあなたの本です
「あ」:話し手と聞き手の両方から離れたものを指す
例)あれは遠くの山です
文脈に合わせる
文章や会話の流れに応じて、適切な指示詞を選ぶことで、読み手や聞き手に伝わりやすい文を作ることができます。
ですので、文章や会話の流れに応じて「こ」「そ」「あ」「ど」を使い分ける必要があります。
例を参考にしてみてください。
話の中で新しい情報を紹介する際は「これ」
→自分「これ(ボールペン)はとても書きやすい芯が内蔵されています。」
既出の情報を再び取り上げる際は「それ」を使う
→相手「牛乳をすべて飲み終わって空いたビンはどこに捨てればよいですか?」
→自分「それ(牛乳ビン)は自動販売機の横にあるビン回収箱に入れると良いです」
視覚的な指示を活用する
会話中に実際の物や場所を指さしたり、目線で示したりすることで、こそあど言葉を使っても明確に伝えることが出来ます。
例)自分「(机の上にあるペンを指して)あれを取ってください」
言語的に情報を伝えることはバーバルコミュニケーションと言いますが、非言語で情報を伝えることをノンバーバルコミュニケーションといいます。
視覚的な情報を、こそあど言葉という簡潔だけど曖昧な言語といっしょに伝えることで、言語だけだと伝わる確率が低い”こそあど言葉”でも相手に伝わりやすくなります。
こそあど言葉を使う時の注意点
”こそあど言葉”は文を簡潔にすることができ、文章量も少なくなることで相手にスムーズに情報を伝えられるというメリットがありますが、使用には注意点が必要になります。
注意点をふまえ、使用しなければ情報が伝わらないといった事態を招くおそれもあります。
以下、注意点になります。
- 曖昧さを避ける
- 過度な使用を避ける
- 文脈を意識する
- 文化的な違いに注意する
曖昧さを避ける
こそあど言葉は文章が簡潔になり、文章量が減ることで情報が伝わりやすくなるというメリットの反面、情報が”曖昧”になるというデメリットがあります。
こそあど言葉だけ使用するのではなく、こそあど言葉で指し示す対象を具体的に説明することで、誤解や情報が伝わらないといった事態を避けることができます。
例)
「それを取って」ではなく、「その青いペンを取って」。
過度な使用を避ける
こそあど言葉を多用しすぎると、文章や会話が曖昧になりやすくなってしまいます。
適度に、具体的な名詞を使うことを心がけることで、こそあど言葉を使用するにあたって生じる文の曖昧さを避けることができます。
例)
「あれをあそこに持っていってほしい」 ✕
「あの書類を本社に持っていってほしい」 ◯
文脈を意識する
「こそあど言葉を使う際のポイント」と同様の内容になってしまいますが、とても大切な部分です。
会話や文章の中の前後の文脈に応じて適切な指示詞を選ぶことで、意味が伝わりやすくなります。
逆に、文脈を意識せずにこそあど言葉を使用してしまうと、会話が噛み合わなくなってしまったり、行ったり来たりしてしまい、円滑に進めることが困難になってしまいます。
例)
前述の内容を指す場合は「それ」、新しい情報を指す場合は「これ」を使う。
文化的な違いに注意する
こそあど言葉の使い方は、日本語特有のものであり、他の言語にはない使い方です。
外国人との会話や翻訳の際には注意が必要と言えるでしょう。
まとめ
”こそあど言葉”は便利なものですが、少し使い方を間違えると、物事がこんがらがったり、トラブルの原因になってしまいます。
基本的には、重要な話のときはあまり使わないほうが、良さそうです。
筆者も”こそあど言葉”を使いすぎてしまい、相手に情報が伝わらなかったという出来事が何度もあります。
文が簡潔になると言っても、伝わるかどうかが最終的に大切です。
今回の記事が参考になれば幸いです。
以上
たくしんでした
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