筆者だ。
新社会人にとって、最初に覚えなければいけないのが”ビジネスマナー”。
「名刺の渡し方」「言葉遣い」「電話の取り方」などなど。
その中でも、「上座・下座のマナー」についてイマイチ想像で完璧に理解するのは難しいのではないかなと思い、今回、「新社会人が失敗しない上座下座のマナー」を紹介していきたいと思います。
上座と下座の基本を踏まえて、図を見ることで、上座下座のマナーを理解することができ、相手に不快な思いをさせず、人間関係の失敗を防ぐことができると考えます。
ぜひ、今回の記事を仕事上で役立てていただければ幸いです。

文筆家
たくしん
takushin
プロフィール
- 野球歴13年 小学〜大学まで
- 主にキッチン、接客、フィットネスインストラクターのアルバイトを経験
- 吃音症歴20年
- オートローン会社に1年半在籍
- スーツ生地メーカーのオーダースーツ販売店に約4年在籍
- 読書を月10冊ほど
- 筋トレ歴約7年
- 文章を書く時に一番饒舌になるタイプの人間
上座・下座とは
まずは、「上座・下座」の基本的な部分からおさえていきましょう。
上座・下座について別々に解説します。
上座
「上座」とは、役職者の人や、役職が上の人、年長の人など、”立場”や”年齢”が上の方が座る席のことを言います。
基本的に、出入り口から一番遠い席が「上座」に該当します。
そして、大切なのは「一番心地が良い場所」ということです。
”基本”と言ったのは、”例外”も中にはあるからです。
その例外となるシチュエーションでは、上座が出入り口から一番遠い席ではない時があります。
ですので、一番大切な上座の認識は「一番心地が良い場所」になるわけです。
下座
「下座」とは、役職者ではない人、その場で一番立場が低い人、お客様を向い入れる側の人が座る席です。
基本的には、出入り口から一番近い席が「下座」となります。
ただ、これも上座と同様に例外があります。
ですので、大切なのは「一番心地が良くない場所」ということです。
上座下座マナーを守る意義
筆者が社会人を4年している中で、「上座下座マナー」を守る意義というのは、「相手に少しでも不快感を与えない」ということだと考えます。
筆者は、社会、特に会社に勤めているときに重要なのは「良好な人間関係の形成」だと考えます。
良好な人間関係の形成ができれば、仕事が円滑になったり、仕事の幅が広がったり、チャンスが増えたりと様々な良いことがあります。
ただし、良好な人間関係を作る時にネックになるのが”ビジネスマナー”です。
これは会社人であれば覚えなくていけないという認識が多く、ビジネスマナーのミスで人間関係にヒビが入ってしまうことは容易に想像することができます。
ですので、「上座下座マナー」を守る意義は、「仕事上の人間関係を良く保つこと」と言えます。
せっかく仕事を頑張っているのにビジネスマナー一つで水の泡になってしまうなんて、非常にもったいないですからね。
筆者は読者の皆さんに損をしてほしくないのです。
上座下座の抑えておきたいポイント

上座・下座マナーで抑えておきたいポイントは、重複にはなってしまうのですが、一番大切なことを知っておくことです。
これを知っておくことで、今回例がないシチュエーションの時も、失敗することなく”下座”に座ることができます。
ここで抑えておきたいポイントは
一番心地悪い席につく
ということです。
ただし、これはあくまでも「下座」はどこ?となったときのポイントです。
・席次が決まっている時
・席に案内された時
・座席が指示された時
と周囲から指定があるときは、上座下座マナーを無視して、指示に従うというのが正しいです。
ポイントを踏まえた上で臨機応変に対応するのが良いでしょう。
シチュエーション別”下座”
それでは、場面別の”下座”を図を含め、紹介します。
下座=グッド絵文字
上座=髭おじさん絵文字
で表しています。
また、出入り口を不動産屋の間取り図であるドアのアイコンで表しています。
応接室の下座
来客対応時の席順

下座は出入り口に近い、お茶出ししやすい位置です。
取引先との商談時

取引先と応接室で商談を行う際はドア付近の席が下座です。
長椅子がある場合応接室の席次

下座は出入り口付近の椅子ですが、上座は長椅子の一番端、出入り口から一番遠い席になります。
様々な椅子がある場合

以上のように下座はドア付近の席で大丈夫ですが、この画像の中にある椅子意外に”スツール”(背もたれ、膝掛けがない一人用の椅子)がある場合、出入り口付近関係なく、スツールが下座になります。

椅子のランクは「長椅子<肘掛け椅子<スツール」となっているので、スツールに座ればOKです。
会議室の下座
社内会議・打ち合わせ時、役職者を含む社内ミーティング

長テーブルでの会議の席次では、画像のように出入り口の付近が下座になります。
議事録をとる役割がある時もここに座れば良いです。
テーブルがUの字だった場合

机がUの字だった場合、画像のように出入り口に一番近いところが良いです。
ただ、もし、座るところを上司などから促されたら、促された席につくのが良いです。

このように、役職が一番上の人がU字テーブルの一番奥真ん中にくる場合もあります。
この時も出入り口に一番近い席で良いです。
会議室のテーブルが円卓の場合

会議室のテーブルが角ばっていない円卓だった場合、下座がわかりにくいですよね。
こういう時も出入り口に一番近い席に座っておけば大丈夫です。
プレゼン後の座る場所

プレゼン後はこのように出入り口に一番近い席に座ると良いですが、もし、ここがすでに埋まっていたら、あいている席、または、上司にどこに座れば良いか聞くと良いでしょう。
これが煩わしい方は、プレゼン前に、下座に荷物をおいて確保しておくと良いです。
来客を会議室で対応する時

来客を会議室で対応する際は、相手を奥に案内し、自分は出入り口付近の席に座るという画像のようなムーブが良いです。
車の下座
車(タクシー・社用車)の場合

タクシーや社用車に乗る時は、基本的に助手席が下座になります。
上座は運転席の真後ろで、三人がけの席の真ん中が下座の次に位の低い席になります。

また、役職が低い人が運転手を勤めている場合、これも助手席が下座になります。

ただ、運転手が役職者や取引先、お客様だった場合、助手席が上座になり、下座は後ろの席の真ん中になります。

新幹線・飛行機
新幹線の場合

窓側が上座になり、通路側が下座になります。
新幹線の座席が3つの場合でも同様です。

座席は回転します。
回転した場合の下座は進行方向とは逆の通路側の席が下座になります。
ただし、乗り物酔いしやすい人は「進行方向の席で良いですか?」と聞いた方が良いです。

筆者も酔いやすいからこの下座は無理だぞ
飛行機の場合


飛行機の場合、座席が2つの時は通路側が下座ですが、座席が中央についている飛行機もあります。
この時は、2つの席にいけたのであれば通路側で良いですが、中央の席だった場合、真ん中の席が下座になります。
「一番居心地の悪い席」で覚えておけば忘れません。
エレベーターの下座
上司・先輩とエレベーターに乗る時


”操作”という作業が必要な一番労力がかかる操作パネルの前が下座です。
エレベーターに乗るタイミングは複数人いるか、上司や先輩と二人っきりかで変わります。
複数人でいる場合は、一番早くボタンの前に乗ります。
逆に上司や先輩と二人っきりの時は、ドアをおさえて、先に乗るようにうながし、自分は後からボタンの前に立ちます。
下座もそうですが、乗るタイミングにもお気をつけください。
エスカレーターの下座


下座は、安全と敬意を表す意味合いを込めて、相手よりも下の位置が下座です。
上に行くのであれば、相手の下に乗り、下に行くのであれば、相手よりも先に降りる。
これを頭に入れておけば大丈夫です。
会食の下座
会食での下座はご飯を食べる場所に分けて紹介します。
居酒屋


居酒屋で長テーブルの場合、出入り口に近く、かつ、オーダーを伝えやすい一番端の席が下座です。
レストラン


レストランの場合、四角いテーブルの場合があります。
長方形のテーブルで対面で椅子が置かれている時は出入り口に近い、オーダーを伝えやすい席が下座ですが、画像のような四角い一辺につき椅子一つの席の場合、出入り口に最も近い席が下座になります。
和室


和室の場合、「床の間」という一段高くなった場所があります。
「床の間」の前が上座になり、下座はふすまに一番近い席になります。
ちなみに「床の間」はこのような場所です。


中華


中華料理屋さんの場合、円卓があることがあります。
この時は、出入り口に一番近い席が下座になります。
ただし、このような席では、目上の人が「一番心地の良い場所」を選ぶことが重要なので、必ずしも図通りにしなくても大丈夫です。
相手の要望を聞きながら席を決めると良いです。
講習会の下座
社内の研修や、講習会などに参加した時の下座も存在します。
社内セミナーや講習会での座る位置


基本的に、一番後方の出入り口に近い端の席が下座になります。


このように出入り口から遠くても「後方」が優先され、下座は後方端の席になります。


前後に出入り口があっても同様です。


会議室などで行う場合、一番前方が見えにくい後方、出入り口に近い席が下座になります。
写真撮影の下座


集合写真を撮る際、あまり気にしなくても良いと思いますが、一応、集合写真の下座は前列を避け、後方の端になります。
集合写真はわちゃわちゃするので、迅速に動くことがポイントです。
イレギュラー時の対応
上座下座マナーを紹介しましたが、あくまでも「相手を気遣ったもの」です。
絶対に守る!
と考えていては、柔軟な対応が必要になった時に、どうしても頭がかたくなって、かえってぎこちなさが出てきてしまいます。
・指示をされたら指示どうりに動く
・気にせず前から詰めると言われたら言われた通りにする
・相手に強制しない
など、「覚えておくと便利」くらいに思っていた方が良いです。
そうすれば、上座下座を配慮していないイレギュラーな場面があったとき、柔軟に対応することができます。
上座下座マナーはスムーズに
色々な場面での上座下座マナーを紹介しました。
今回紹介したことをどれだけスムーズに行えるかが、自分の労力を使わずに、相手と良好な関係を結ぶことに繋がります。
最初は場面別の下座に上手く座ることができないことが多いと思いますが、意識して繰り返すうちに無意識でできるようになります。
無意識にできれば、労力なく”気遣い”ができ、さらに、人間関係にヒビを入れずにすみます。
最初は図を見ながらで大丈夫です。
根気よく続けてみてください。
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