新社会人になって初めての配属が「北海道」だった人に絶対に覚えておいてもらいたいことがある。
それは「水落とし」という作業だ。「水抜き」とも言われるが、ようは、家の中に巡回しているありとあらゆる水を抜く作業だ。
筆者は新社会人だった頃の最初の配属先が北海道の札幌だったんだけど、もちろん地元ではないから長期休暇の時とかは札幌の家を空けることがあったんだ。ただ、その時に大失敗したのが「水落としをしなかった」っていうこと。
もし筆者のように北海道に初めて住むことになった新社会人が、筆者みたいに「水落とし」をしないせいで何万円の損失と水がない生活を余儀なくされてしまうっていう最悪の状況に陥らないために、北海道単身赴任の処世術を記録として残しておきたいと思う。
筆者の詳しいプロフィールはここから
この記事でわかること
・筆者の水道管凍結の体験談
・水道管凍結時の対処法
・修理を頼む時に気をつけること

文筆家
たくしん
takushin
プロフィール
- 野球歴13年 小学〜大学まで
- 主にキッチン、接客、フィットネスインストラクターのアルバイトを経験
- 吃音症歴20年
- オートローン会社(金融業界)に1年半在籍
- スーツ生地メーカーのオーダースーツ販売店に約4年在籍
- 百貨店販売員経験あり
- 読書を月10冊ほど
- 筋トレ歴約7年
- 文章を書く時に一番饒舌になるタイプの人間
北海道は言わずもがな”極寒の地”

北海道は言わずもがな、”極寒の地”として有名だ。
北海道に行ったことがない人でも「北海道=寒い土地」って言うことがわかるだろう。
ただ、最近では北海道も夏の時期の平均気温が上がっている。だいたい25〜30度以上。
筆者が北海道で営業をやっていた時は、主に江別・岩見沢・小樽・石狩を回っていたんだけど、そのどの地域でも、それらの地域に長年住んでいる人の話曰く、北海道もだんだん気温が上がってきて、湿度も上がってきたいるって言ってた。中には、本土(東京とか)と似てる気温の地域になってしまったなんて言っている人もいた。
このことから北海道って意外と寒くないんじゃないかなんて思った人はドーーーン!喪黒福造。
北海道の冬は死ぬほど寒い。
室内では常備されているストーブの電源をつけなきゃ凍え死んでしまうほど寒い。
まず、11月から雪がちらほら降り始める。
北海道の冬は氷点下、つまり、0度以上の気温を軽く更新してくる日だってあるし、日中も日が出ていたとて、0度に近い気温が続く。場所によっては−30度以上を記録する地域だって出てくる。
冷凍庫だって−18度以上が適正温度とされているんだから、北海道の気温がどれだけ常軌を逸しているかわかるはずだ。
雪が大量発生
北海道が寒い印に、”雪”が降る。
筆者がいた頃は、11月からすでに雪が降り始める。雪が降り始める前に”スタットレスタイヤ”にしなかったら当時の上司から死ぬほど怒られたことがある。それくらい降り始める前に準備をしなければ、あっという間にあたり一面に雪が覆うようになるし、地面は凍結し始める。
気象予報士じゃないから確実なことはいえないけど、大体雪が降る条件っていうのは上空の寒気が−3度の時らしい。そして、雪が地面に残るには、十分な湿度と地上の温度が1度以下にならないといけないっぽい。
この”雪”ってのが北海道では11月頃から降り始めるし、12月なんて時期は雪でホワイトアウト(雪で前が見えなくなる現象)が起きる。

↑筆者が実際に12月に目撃したホワイトアウトの中
つまり、それくらい気温が低いってこと。
単身赴任中の人は”帰省”することが多い

ところで、新社会人で地元以外の実家から通えない場所に配属になって、いわゆる”単身赴任”中の人であれば、会社の長期休みの時に実家に帰りたくはならないだろうか?
もし帰りたくならないのであれば、今回の記事は必要になることはあまりないと思う。けど、もし、1日とか2日とか1週間とか長いこと北海道の家を留守にするのであれば、気をつけた方が良い。
何を気をつけるのかは勘の良い人であればわかると思うんだけど、特に冬の時期の帰省の時は、冬の気温による「家の中の水道管の水の凍結」に気をつけた方が良い。
どう気をつけるのかと言ったら、今回のテーマである「水落としをすること」。
水落としをしないと、ほぼ間違いなく水道管の水が凍る。
筆者は当時13階建くらいのマンションの7階に住んでいたんだけど、水落としをしないで帰省したら水道管の水が凍った。
いいですか?”7階”でも凍るってことに注目してもらいたい。
一階層に4〜5部屋あるんだけど、それだけ密集、なおかつ、高階層であっても水道は凍る。
部屋の水が凍った人間の末路

筆者がこの時帰省したのは確か1週間くらい。
当時、新社会人で、それまで一人暮らしなんてしたことがなかったし、地元以外の地域に住むなんてのも初めてだったから「自分の家を自分で管理する」っていう意識が乏しかった。
道民の取引先の方々に散々「数日家空けるなら水落とししなよ」と言われていたにもかかわらず、筆者はそれをなんとな〜く聞き流してしまっていた。そもそも「水落としってなんぞや、ポケモンの技名かよ」ってな感じだったから帰省の時に水落としなんてしなかった。
それが”悲劇”を生んだ。
水落としを怠った人間の末路

帰省から帰ってきた筆者は、いつも通り洗面台で手を洗おうとした。たくさん外に出て外にあるバイキンをたくさん付着しているであろう手を洗うことは病弱の筆者にとって超重要。この時も早く手を洗いたくてウズウズしていた。
ところがどっこい、蛇口を開いても水が出てきません。
当時筆者は「長期間家を空けちゃったから回路が鈍ってんのかな?」くらいに思っていて、何度も蛇口を捻ったけど水は出てこない。
嫌な予感がしてキッチン、風呂場の蛇口も捻ってみたけど全く水が出てこない。
この時、本当に血の気が引いた。多分、初めての感覚だったけど血の気が引くってああいう感じなんだと思う。体の中から焦りがでてきて、そわそわし始めた。
そこで「これはもしかして、水道凍った…?」そう勘づいた筆者は「水道 凍った 直し方」とGoogleさんで検索した。
当時見つけた凍った水道管の直し方①

検索して出てきた「凍った水道の治し方」が「熱湯に浸したタオルを蛇口に巻いて放置する」というものだった。これをみてまず「熱湯を生み出す水がないから困っているんじゃないか」と思った。けど、ここで挫折していたらおわると思い、冷蔵庫から2リットルの天然水を取り出してタオルにかけて、そのタオルを電子レンジであっためた。
我ながら頭を使えたと思う。
で、はれて熱湯に浸した熱々タオルが出来上がったんだけど、これを蛇口に巻いても何にも起こらないワケ。
まあ、それもそのはず、今考えると、凍っている水っていうのは蛇口よりももっと奥にある。で、その凍った水が大きかったら、熱湯タオルを水が出るところに巻いたところで熱が完全に届くことはない。つまり、”なすすべなし”ということ。
そんなことは当時冷静に考えられるような状況じゃなかったから、何回も熱湯タオルを作り直しては蛇口に巻く作業をしていた。結果、飲み水の大半を失うことになった。
ちなみに、あまりにも熱湯すぎると、かえって水道の破損を招くことになるから、この方法はあまりおすすめしない。また、熱湯を水道管に直接かけることもNGだ。これも破損に繋がり、多額の損害賠償を負ってしまうことになりかねない。
当時見つけた凍った水道管の直し方②

筆者が当時見つけた凍った水道管の直し方がも一個ある。
それは「部屋を暖房で暖める」という方法だ。
水道管は部屋に通っているし、部屋をなるべく高い気温にすることで水道管の中の凍った水は溶けるんじゃないか?と思い、実行してみた。
これは仕事の間にやった。だからほぼ一日中ストーブをつけて家を出た。この時の気温はいつも使っている時の温度と変わらない気温に設定して家を空けた。
結果、全くダメ。
初めて水道管が凍ったこの時は全くこの方法が役に立たなかった。
だが、2回目に凍った時はこの方法でうまくいったことから、有効性は高いと思う。ただし、2回目の凍結は水落としを完璧に行っていたという前提条件があることから、うまくいったのだと思う。
水がないサバイバル状態

こんな感じで自分で考えられる凍結解消の方法を試してはみたものの、全部うまくいかず、水がないという極限状態になった。
水がないということは…
・トイレは流せない
・トイレの水洗も使えない
・お風呂に入れない
・手が洗えない
・うがいができない
・料理ができない
これだけ私生活の核となる大事なことができない。健康を害することに直結してしまう。
ということで、急遽筆者は当時、近くのスーパーで水2リットル12本入りのケースを買いに行った。しかも、当時は大雪。足場も悪い。晴天であれば10分ほどで着く店にも片道15〜20分もかかる。さらに、大雪の中歩くのはかなり体力を消耗する。
そんな環境で12キロの荷物を運ぶ羽目になった。
苦労して買ってきた水たちは勿体無いけど手を洗うようにしたり、頭を洗うようにしたりした。
とりあえず1日目はなんとかそれで乗り切ったけど、あの状況は今思い出しても本当に辛かった。買ってきた天然水で手を洗う時やトイレの水を流すのは本当に心が苦しかったし、今思い出しながら書いていたも心が苦しくなる。
そんな思いをこれをみている読者のみなさんにはしてほしくない。
高額な修理費を払って修理を頼む

水道凍結3日目。
ストーブを2日間ずっとつけていたが、まったく水は出ず。あっという間に2日が経過した。
1日目に買った大量の水もほぼ無くなってきていた。
3日目も仕事だったからいつも通り仕事に向かい働いていて、帰宅時、少しでも水道が元に戻っていることを期待して家に入って、各蛇口を捻ってみたけどうんともすんとも言わない。
当時、それが夜の8時〜9時だった気がする。
この時我慢の糸が限界になった。
流石にこの状況はまずいと思い、札幌市が指定する水道工事業者を検索、片っ端から電話をかけて今から修理をしてくれそうな業者に修理を頼んだ。
でも、どこももう営業していないと留守電が聞こえるばかり、何個かの業者に電話をかけると、「修理をしてくれる」という業者があった。当時の修理してくれた業者の名前は覚えていないけど、確かに修理をしてくれる業者があった。
そのほかの業者は営業時間外もそうなんだけど、他の修理に行っていて対応できるのは何日か後とか言われた。でも、筆者はもう我慢ができなかった。風呂にも入らないといけないし、トイレもしないといけない。自炊だってできない。これでは健康を害してしまう。そも思った筆者は修理をしてくれるという業者に修理を依頼した。
高額な勉強代
で、その遅い時間でも対応してくれると言ってくださって、修理していただいたのだが、今考えると修理代が超高額だった。
具体的な修理代の前に、どんな作業をしたのか?についてだが、なんか部屋の外の目の前に開くところがあって、それを空けたら何か水道管らしきものが縦に確か、2本あった。その2本にはクッション材が巻かれてるんだけど、そのクッション材をカットして、熱風が出るドライヤーを業者の方が数分当ててた。
そしたら、あら不思議。3日間でなかった水が瞬く間に蛇口から出てくるじゃありませんか。
この瞬間はとても喜びを感じたことを覚えている。
で、修理の費用だが「3万円」。その時はもちろん、感謝していたから、「全然払います」くらいのテンションで気持ちよく払った。
でも、次の日に職場の仲の良い根っからの道民の方にこの話をしたら、「ぼったくられすぎだよ笑」と言われた。なんか本来であればそんなにしないらしい。
いや、別に責めているわけではない。
3日間でなかった水道を出るようにしてくれた、まさに筆者にとったら神様のような存在であったのだから、その3万円など勉強代として気持ちよく払ったくらいだ。
ただ、今考えてみると、まぁ…結構、高い…よね?
この経験から学んだ教訓
筆者のこの「水落とし事件」から学んだのは
①北海道とかの極寒の地域では家を1日以上空けるなら水落としをやっておくこと
②水道修理業者をあらかじめ知っておくこと
この2つ。
北海道で単身赴任をしていて、特に冬の時期に帰省などで家を長期空けるのであれば、必ず「水落とし」をするようにしよう。じゃないと、帰省から帰った時に血の気が引くような経験をしなければいけないハメになる。
水落としの方法が載っているサイトのリンクをいくつか載っけておく
・札幌オーナーズ株式会社 冬季の水落とし方法
・札幌市水道局 水道を凍結させないためには
・旭川市 水落としの方法
・水まわり修理屋.24 水抜き(水落とし)のやり方を解説【簡単】
・CREAST Inc. 【北海道・札幌】水道を凍結させないために札幌市の冬を知っておこう-リフォーム会社クレアスト
・江別市 水道管の凍結にご注意ください
そしてもし、水道が凍結した時のために、「水道の修理屋」を知っておいた方が良い。
よく、家のポストにマグネット式の広告を入れてくる業者もいるが、ああいうのだ。ああいうマグネット式の広告も一応取っておくと良いと思う。
ただ、マグネット広告の中にはぼったくり業者もいるとされていることから、そういう悪徳な業者には注意が必要だ。
水道修理業者の悪徳業者の見分け方を解説してくれている記事があるのでそれも参考にして、防御力を上げてほしい。
参考元:町の水道修理センター マグネットチラシの水道業者は要注意?依頼前にネットでも確認したい3つのポイント
筆者が調べた中で、北海道でも対応、24時間対応、相談から対応してくれる業者を見つけた。
その業者もピックアップしておく。もしもの緊急時に参考にしてくれれば良い。あとは基本、市が指定する業者の方が安全ではあるから、基本的に市が紹介している業者に片っ端から電話をしてから、それでもなかったら以下のを参考にするとかそういった使い方の方がぼったくりを防ぐには有効かもしれない。
札幌市水道局
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トラベルブック株式会社
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株式会社生活水道センター
↓↓↓
水道凍結の修理費用相場
調べてみたけど、水道が凍結した場合、解凍作業で大体1〜2万円の費用らしい。
ただ、水道管が破裂していたら3〜5万円ほどかかるらしい。
まぁ筆者が支払った解凍代「3万円」以上請求があった場合はぼったくりを疑った方が良いかもしれない。修理内容が違うと何とも言えないが。
家の保険適用にはならないのか?
筆者が住んでいた家の保険には「水道の凍結による修理」は残念ながら保険対象にならなかった。
調べてみたが、火災保険は主に自然災害による損害を対象とするらしく、寒冷地特有の水道管凍結は保険対象外になるらしい。
でも、保険の中の「凍結水道管修理費用保険金」に入っていれば、補償を受けられる可能性があるとのこと。
参考元:損保ジャパン 個人用火災総合保険『THE すまいの保険』商品・補償内容
もし、これから北海道で単身赴任をするという新社会人は家を借りる時に不動産屋さんに必ず「水道管が凍結した時の保険ってありますか?」ということを聞いておくと良い。
その要望に合わせた火災保険を教えてくれるかもしれないからだ。
北海道に単身赴任する時は本当に気をつけて
北海道に単身赴任をすることになった人は本当に「水落とし」をしっかりやる。ということに気をつけてほしい。
何度も言うようだけど、水落としを怠って、水道管が凍ってしまい、蛇口から水が出ない時の焦りと言ったら、この文面では表せないほどの苦境に立たされる。
そして、水が凍ってしまったら生活も制限されてしまうし、水道を治すための労力も必要になる。だったら、最初から水落としをしっかりと行って何の不安もなく規制をしてリフレッシュした方が良い。
特に初めての配属が北海道で、新社会人だったら、日々の仕事に忙殺されてしまい、日常に気を配ることなんて難しい!って思ってしまいがちだけど、北海道に単身赴任するなら「水落とし」だけはちゃんと気を配った方が良い。
筆者のような犠牲者が出ないようにここに記録を残す。
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