筆者や。
会社に新人として入社し、いざ仕事が始まったら、研修では教わらなかったことが発生してあたふたしたり、多くの仕事を一気に任せられて、「一体何から取り掛かったら良いのか分からずに仕事をしていたら仕事が遅い!と怒られた」なんて出来事ありませんか?
ですが、新人で仕事の優先順位をつけられずに、仕事が要領よく終わらない。なんてことは、なんらおかしなことではありません。
何せ、まだ入社して1年、2年と経っていない、まだまだ取り組んでいる仕事を把握していない時期なんかに質が高い仕事の優先順位付けなんかできるはずもないのですから。
ただ、仕事の優先順位付けを知ることによって、想像よりも早く仕事を要領よくこなせるようになることはできます。
今回は、新人でも仕事の要領が向上する「優先順位のつけ方」を図解を用いて解説していきたいと思います。
この記事でわかること
・仕事の優先順位のつけ方
・優先順位をつける時のポイント
・その他の仕事の要領が上がる方法

文筆家
たくしん
takushin
プロフィール
- 野球歴13年 小学〜大学まで
- 主にキッチン、接客、フィットネスインストラクターのアルバイトを経験
- 吃音症歴20年
- オートローン会社(金融業界)に1年半在籍
- スーツ生地メーカーのオーダースーツ販売店に約4年在籍
- 百貨店販売員経験あり
- 読書を月10冊ほど
- 筋トレ歴約7年
- 文章を書く時に一番饒舌になるタイプの人間
仕事の優先順位をつけることで
仕事の優先順位をつけることで、「仕事効率がアップする」だけではありません。
「優先順位をつける」ことを意識するだけで、一つ一つの仕事の重要度が見えてきます。
仕事の重要度を知ると言うことは、「上司からの指示の背景を予想する」ことにおいて非常に役に立ちます。
例えば
企業の目標が「新しい商品の契約を月10件契約する」ということがあり、これが企業のビジョンに大きく関わる事業だったとして、これをふまえて上司から
・「普段の月の売り上げ目標を追うこと」
・「事務処理でのミスをなくすこと」
・「営業費の申請をできるだけ早く行うこと」
・「新商品の販促を行うこと」
この4つの指示があった時、重要なのは「日々の売り上げ目標」と「新商品の販促を行うこと」です。
売り上げに関しては、会社の存続に関わることです。
新商品の販促に関しては、企業のビジョンに直結する事業であるためです。
もちろん、すべて大事な業務ではありますが、優先順位をつけると以上のようになります。
そして、「上司の指示の背景を読むこと」というのは、この場合、”企業のビジョンに着眼すること”です。
仕事に優先順位をつけるという意識を常にもつことで、このように上司からの指示の背景に何があるのか?ということを予想し、仕事の重要度を測ることができます。
これができれば、重要度の高い仕事をしっかりとこなすことができるようになるのです。
仕事の優先順位のつけ方
それでは早速、「仕事の優先順位のつけ方」をお伝えしたいと思います。
仕事の優先順位を決めるには“マトリックス”の表を用いることが良いです。
図を用いて解説します。
こちらの表を御覧ください。

このように「緊急度」と「重要度」を高低で十字上に分けています。
「緊急度が高い」「重要度が高い」
「緊急度が低い」「重要度が低い」
図をみると4つのエリアがあると思います。こちらに、仕事を割り振っていきます。

こうすることにより、仕事が可視化され、頭の中が整理することができ、仕事の優先順位が立てやすくなるという仕組みです。
それでは、表を使って各エリアの解説をしていきたいと思います。
①について
“緊急度”が高く、“重要度”が高いエリア。
仕事の期日が迫っており、かつ、売上などの仕事の成果に直結する仕事です。最優先して取り組みたいものです。

②について
“緊急度”が低いが、“重要度”が高いエリア。
仕事の期日はまだ余裕がありますが、売上や仕事の成果に直結する、または、成果が大きいものです。
実はこのエリアにあるものはとても重要になります。
重要な理由は仕事の成果や日々の生活に大きく影響してくるものだからです。
売上や仕事の成果だけではなく、自分磨きや人間関係の形成といった、仕事や日々の生活に欠かせないものがこのエリアには入ってきます。
つまり、成果に間接的につながるものをこのエリアに入れるということになります。

③について
“緊急度”が高く、“重要度”が低いエリア。
突然投げられた仕事だったり、問い合わせの電話などが該当します。
優先順位的には低め。

④について
“緊急度”が低く、”重要度”も低いエリア。
あまりやる必要のない仕事や時間があればやると良いことが該当します。
優先順位は一番低いです。

仕事の優先順位を分ける具体例

実際に優先順位を表で分けるとして、どんな仕事をどう分ければ良いのか疑問に思うかもしれません。
そこで、表のエリアごとに具体的な仕事例を取り上げてみたいと思います。
あくまで、筆者の仕事を取り組んでいた時の優先順位なので、ここは今取り組んでいる仕事と照らし合わせてみて参考にしてみてください。
自分なりにアレンジすると良いです。
緊急度と重要度それぞれの例
仕事の優先順位を分けるときは、紙を使うととてもわかりやすいです。
書くという行為は頭にも入りやすいので紙にマトリックス(優先順位の表)を書き、前項を参考に仕事を割り振っていきます。

・アポイント
・部署の存在意義となるもの(営業なら売り上げを立てること)
・納期や締め切りが迫っている仕事
・クレーム対処
・取引先や社内での約束事
・急な病気や怪我への対応(健康面)
・人付き合い(人間関係の形成)
・仕事の施策づくり
・仕事の勉強
・業務フローの理解
・身の回りの掃除
・中長期のキャリア設計・目標設定
・業務効率化の仕組みづくり(マニュアル作成、ツール導入)
・取引先からのなんでもない電話
・期日が長く誰でもできるような仕事
・緊急性が高くない取引先からの問い合わせ
・他部署からの急ぎの問い合わせ(自分の仕事に関係しない)
・出席の必要性が薄い会議への参加
・形式的な日報・週報の提出
・突発的な社内雑務(会議室のセッティング依頼など)
・雑談
・必要以上の休憩
・無駄な会議(中身のない体だけの会議)
・ムダに長い電話(中身があることなら優先度は変わる)
・移動時間
・SNSやニュースサイトの長時間閲覧
・過剰なデスク整理・文房具の整頓
・意味のない雑談や飲み会の参加(義務感で行っている場合)
・惰性で継続しているルーティン業務(必要性が薄いもの)
実践した感想

実際に筆者はこの優先順位の決め方を社会人になりたての新人の頃、初めて配属された営業部署の上司から教えてもらいました。
その頃はほんとに毎日嵐のように新しいことが自分に降り掛かってくるのでバタバタして仕事の優先順位どころじゃありませんでした。
そんなときに教えていただいた優先順位のマトリックスがとても役に立ちました。
今回紹介したとおりのように、やることが可視化され、頭の中が整理され仕事の効率があがりました。
そこで、筆者が実践していた方法を紹介したいと思います。
実践方法
朝一番に大きな紙にマトリックスの表を書いて、一日の仕事をマトリックスの表の横に書き出して一つずつ優先順位のエリアに書き出していました。
この時、もちろん最初から的確な仕事の割り振りができたわけではありません。
毎日、優先順位の表を振り返って「この仕事は優先順位が高かった」「これは必要なかったな」など仕事の重要度を確認するようにしました。
すると、だんだんと仕事の優先順位の割り振りがうまくなって、さらに業務効率も上がってきました。
”大きな紙”はA4のレポート用紙です。
これがみやすくて、やることを管理しやすいので重宝しました。
ちなみに今も使ってます。
仕事の優先順位を決める時のポイント
仕事の優先順位を決める方法はなんとなく理解いただけたでしょうか?
もう一つお伝えしなければならないことがあります。それは、仕事の優先順位を決める時におさえておきたいポイントです。
仕事の優先順位を決める時のポイントは以下です。
1 最初は上司・先輩に仕事の重要度を確認する
新人のうちは仕事のことを熟知している先輩や上司に仕事の重要度を確認することが一番安全な方法です。
右も左もわからない状態で「仕事の優先順位をつけて効率的に取り組んで!」と言っても無理な話です。
まずは、先輩や上司に確認してから自分で優先順位を決めていくのが確実でもあり、仕事の重要度を知る機会になります。

2 最初はとりあえず全ての仕事は優先順位①
最初はとりあえず全ての仕事は①の優先順位でも大丈夫です。
日々、「仕事に優先順位をつけよう」と意識をしていれば、1日ごとになんの仕事が優先順位が高いか低いかわかるようになります。
なので、始めは何でも最優先事項にして仕事に取り組むのが一つのやり方です。
ただ、ここで大切なのは、日々自分が紙に書いた優先順位を見返すことです。
見返して、「これは優先順位③だったな」「これは②だったな」と再度、仕事を振り分けてみてください。
このように一日の締めくくりに自分でたてた仕事の優先順位を見直すことで、次第に仕事の重要度が見えてきます。
これはすぐにはできないので、毎日コツコツ続けることが大切です。
3 上司や先輩からの指示には迅速に対応
優先順位が自分でうまくできるようになっても先輩や上司の指示には迅速に対応するのが吉です。
先輩や上司からの仕事の指示自体の中身の優先順位が低くても先輩や上司からの指示は優先順位の②「緊急度は低いが重要度が高い」の「人間関係の形成」に該当するので、迅速に対応するのが吉です。
迅速に対応することで「ちゃんと仕事をしてくれる」という信頼を積み上げることにも繋がります。

4 自分のキャパを知る
新人のうちは自ら、分からなくても仕事の優先順位を決め、仕事に取り組みながら「自分はどれだけ仕事ができるのか」という自分の中の仕事処理能力を知ろうとすることが後々、仕事をコントロールするのに役立つのです。
お酒と一緒ですよね。
一度「自分ここまでしか飲めないかも」と知っておけば、お酒の飲む量をコントロールすることができ、お酒の失敗をせずに済む。

筆者は下戸ですが
まさに、仕事の優先順位づけの時のポイントと一緒で、「自分がどらだけ仕事を抱えられるか?」ということは、一度、自分できると思う限界まで取り組むことが、仕事のキャパを知り、キャパを管理するための優先順位づけができるようになると言うことです。
また、仕事をある程度コントロールできれば、心身の健康管理も容易になります。
5 上司や先輩への質問は工夫する
上司や先輩に質問するときは質問の仕方を工夫すると吉です。
筆者は自分が忙しくても忙しくないふりをしてそつなくこなすことが格好良い仕事人と考えているので本意ではないですが、上司や先輩は仕事量が多く忙しんですって。
なので、一つの思いやりとして質問の仕方を工夫することが良いのではないでしょうか。
まぁ筆者は、上司や先輩は新人よりも早く入っている分、仕事を理解しているんだし、文句言わずに新しい子には手取り足取り教えてやれよ。と忙しいアピールして質問しにくくしている上司や先輩に対して思ってしまうのですが。


その他の仕事の質と早さを向上させる方法
”優先順位をつける”ということ以外にも、仕事の質と早さを向上させる方法はあります。
ここでは、優先順位をつける以外の方法を紹介していきます。
参考にしていただいて、新人だけど「仕事の要領が良い」という印象を与えるときの役に立ててください。
・ToDoリストを作る
・業務をカテゴライズする
・自分の中で”基準”をもつ
・ポモドーロテクニックを使用する
ToDoリストを作る
取り組もうとしている仕事のやることリストのことを「ToDoリスト」と言います。
このリストを作ることで、「やらないといけない仕事」を忘れることがなくなります。
仕事で失敗しがちなのは、「お願いしていた仕事終わった?」と上司に言われた時に、頼まれていた仕事を忘れてしまっていた時です。
このような仕事の”漏れ”がないように、やることリストを作るのです。
おすすめは、「ToDoリスト」を前日に作っておいて、当日の朝に見直して決定するというルーティンです。
業務をカテゴライズする
業務をカテゴリーごとに分けてから、まとめて取り組むと仕事効率が上がります。
カテゴリーに分け、カテゴリーごとに取り組む仕事術を筆者は「仕事のカテゴライズ」と呼んでいます。
例えば
「新規契約を10件とってくる」という業務があったとしましょう。
この時に「新規契約をとってくる」という目標のために必要な業務は「取引先候補にアポイントを入れる」「販促物を用意する」「スケジュールを調整する」「新規契約に必要な契約書を準備する」など、さまざまな業務があります。
これを1契約ごとに毎回同じ工程を行うことは、とても時間がかかります。
ですので、ここで「契約書を作る」のであれば一気に10件分の契約書を作ってしまうのです。
「アポイントを取る」のであれあば一気に10店舗分のアポイントを取るのです。
このように同じ業務を一気に集中して行うことで、仕事を終える時間が早くなり、仕事効率が上がります。
一回一回、工程を終えてから次の工程にいくように仕事に取り組んでいる人は、ぜひ仕事をカテゴライズして、一気に終わらせるように取り組んでみるのはいかがでしょうか。
自分の中で”基準”をもつ
仕事の質を上げるには「自分の中で”基準”をもつ」ということが大切になってきます。
これはどういうことかといいますと
例えば
「企業理念を大事にしよう」という基準を作ったとします。
企業理念に「誠実さを大切に」というものがあったとして、この誠実さに沿う行動を心がけることができ、もし、仕事の中で選択を迫られたとしても、自分の中の基準がしっかりとしていれば、迷うことなく、決断でき、行動することができます。
このように自分の中で基準がしっかりと確立できていれば、仕事の取捨選択を行うことに繋がり、仕事の効率と質が上がります。
そして、基準が明確であれば、行動に説得力が増し、周囲からの信頼を得ることにも繋がります。
ポモドーロテクニックを使用する
ポモドーロテクニックとは、時間管理術の一つで、「仕事効率の向上」「集中力を維持すること」などに有効な手段として有名です。
ちなみに「ポモドーロ」というのは、イタリア語で”トマト”ということであり、この時間管理術を提唱したFrancesco Cirilloさんが使っていたトマト型のタイマーから名付けられています。
この時間管理術の中身としては
→これを4回繰り返す
注意点としては、
・作業の途中で別の業務が入ってきたら、もう一度最初からやり直し
・25分間は一つの業務に集中する
・タイマーは音が鳴らないものだと集中力が削がれる恐れがあるため、できるだけ音がなるものを使用する
このように業務に取り掛かる時間を管理することで、「自分がどれだけ業務に時間を割いているのか」「どれくらいで業務を終えられるのか」というのも明確になります。
すぐに取り掛かっても効果は高いと思いますが、長い目でみても、仕事ひとつひとつに取り掛かる時間を知ることができるため、業務改善や自分の仕事のキャパを広げるために最適な方法といえます。
もっと詳しく知りたいという方は以下の記事も参考にしてみてください。
参考:Asana ポモドーロテクニックとは?仕事の生産性を上げる時間管理術
まとめ
今回は会社に入ったばかりの新人でも要領よく仕事に取り掛かることができる”優先順位のつけ方”をしょうかいしました。
今回紹介した優先順位のマトリックスはあくまでも例です。
読者のみなさんが今取り組んでいる仕事の中で重なる業務がなかったかもしれまんせん。
ですが、大切なのは、「日々の仕事の優先順位を常に考えること」です。
この意識があるだけで、何も考えず頼まれた仕事をしようとするよりも、はるかに早い段階で、自分で仕事の優先順位をつけることができ、新人でも要領よく仕事をこなせるようになります。
もう一度今回のポイントを振り返ってみましょう。
優先順位のマトリックスは以下に分けられる
・「緊急度が高い」「重要度が高い」
・「緊急度が低い」「重要度が高い」
・「緊急度が高い」「重要度が低い」
・「緊急度が低い」「重要度が低い」
このれらのブロックに取り組んでいる、もしくは、取り組もうとしている業務を当てはめ、「緊急度が高く、重要度も高いもの」から取り組む。
仕事の優先順位に関しては、以上のようにできなくても少しずつ取り組んでみてください。
さらに、優先順位をつける時に大切なポイントは以下です。
①最初は上司・先輩に仕事の重要度を確認する
②最初はとりあえず全ての仕事は優先順位①
③上司や先輩からの指示には迅速に対応
④自分のキャパを知る
⑤上司や先輩への質問は工夫する
これらのポイントをふまえて、仕事の優先順位をつけ、「新人でも要領が良い」という印象を周囲に与えられるよう無理せず頑張ってください。
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