職場において、「コミュニケーション不足」が問題にあがることがあります。
・上司と部下のコミュニケーション不足
・同僚とのコミュニケーション不足
会社は組織であり、一人で仕事をしているわけではなく、様々な人と関わり合って働かなくてはいけません。
その時にコミュニケーション不足は重大な問題になります。
中でも「挨拶」というコミュニケーションに抵抗感をもつようになってしまった人が少しずつでてきています。
「挨拶」は当たり前という認識が広まっているのが現状ではありますが、その当たり前という認識のコミュニケーションに苦痛を感じてしまっている人もいることを知っておかなくてはいけません。
もし、部下や同僚から「挨拶が苦痛」と相談を受けた場合、どのような対応をするのが正しいのでしょうか。
今回は「職場で挨拶が苦痛と相談された時の対処法」を解説していきたいと思います。
- 挨拶のメリット・必要性
- 挨拶が苦痛と相談された時の対処法
- 部下や同僚に寄り添えるようになる
内向型人間
たくしん
takushin
詳しいプロフィール
インキャ、インドアという2つの”イン”を持つ者。
バリバリ金融営業➡北海道転勤➡第二新卒で転職➡関西居住➡地元に戻る。というムーブをかました5年目社会人。
今まで無事に生きられたのは周囲の”人”のおかげだと本気で思っているので、”人”に関係する悩みが多い社会人(特に新入社員や転職した人)に向けた、自分の経験から”人”に関係する悩みを解決する発信をしてます。
職場で挨拶が苦痛と相談された時の考え方
職場で挨拶が苦痛だと部下や同僚に相談された場合、どのように考えれば相談に適切に回答でき、対処することができるのか、「挨拶は大切」だとなんとなく分かっていても、いざ聞かれてみると戸惑うものです。
職場で挨拶が苦痛だと相談された時に適切に対処するには、”挨拶”に対して自分がどう考えているかというのが大切になります。
そもそも、挨拶が苦痛だと相談してきた人に「挨拶は大切」だと伝えることが良好な選択7日、それとも部下や同僚を守るために相談にそのまま対応するのかということも迷う部分です。
どちらにせよ、まずは自分の中で確固たる”考え方”を確立することが、相談に対して適切に対応するのにも、自分のメンタルを守るにも有効になります。
まずは”挨拶”の重要性について言語化していきましょう。
挨拶の重要性
”挨拶”は人間関係において大切だ!と言われるとなんとなく腑に落ちます。ですが、「なんで腑に落ちるのか?」と聞かれてもパッと応えることが難しいものです。
この項目では「挨拶の効果」を解説しつつ「挨拶の重要性」を伝えていきたいと思います。
”挨拶”は以下のような効果があげられます。
・”人”と”人”のつながりを感じられる
・敬意を示せる
・その日の気分や調子を相手に伝えることができる
・コミュニケーションのアップになる
・余計なストレスを感じさせないから働きやすさに繋がる
”人”と”人”の繋がりを感じられる
挨拶を行うことで、”人”と”人”の繋がりを感じることができます。
挨拶もコミュニケーションの一種です。コミュニケーションは相手がいてこそ成り立つものであり、コミュニケーションは社会全体を作っていると言っても過言ではありません。
実際、全くコミュニケーションを取らずに仕事をしようとしても成り立ちません。
コミュニケーションがなければ、納期もわからなければ要望もわからない。連携もできなければ、何を仕事にしたらよいのかも分からなくなってしまいますからね。
”挨拶”はコミュニケーションの中でも一番容易な手段であり、相手ありきな行為という観点から、”人”との繋がりを感じさせてくれる行為だと考えられます。
”人”と”人”の繋がりを感じることで、社会との繋がりを感じることができ、自分の”社会的欲求”を満たすことができるのです。
敬意を示せる
挨拶をすることは、挨拶をした相手に敬意を示すことができます。
なぜ、挨拶が敬意を示すことに繋がるのかといいますと、挨拶は、挨拶をする相手の存在を認識しており、「挨拶をしよう」と相手を気にかけている結果、行う行為です。
つまり、相手を”尊重”しているのです。
このことから、相手を認め、尊重した行為として”挨拶”を行うことがわかります。
その日の気分や調子を相手に伝えることができる
”挨拶”はコミュニケーションができるだけではありません。
挨拶はその日の気分や調子を相手に伝える、または、感じ取ることができるのです。
気分がのらない人や、体調が芳しくない人の挨拶は、どことなく元気や気力がなく感じることがあります。
逆に、気分がのっている人や元気な人は、挨拶もハキハキしていて顔にも生気が感じられます。
その日の気分や調子が相手に伝わることによって、「今日はサポートしよう」「今日は早めに帰らせてあげよう」といった、”配慮”をしてくれるキッカケになります。
このことから、周囲のサポートのおかげで仕事をストレス無く行うことができる効果が挨拶にはあると言えます。
コミュニケーションのアップになる
朝は特に、声が出づらかったり、人と接することに若干の抵抗を感じてしまうものです。
運動でも同様のことが言えますが、例えば野球なんかはボールやバットに触れる前に、必ず準備運動、つまり、アップを行います。
アップをしなければ、まともに球を投げられないどころか、怪我をするおそれもあります。
コミュニケーションも同様に、準備運動をしなければ、上手く会話のやり取りが出来なかったり、人と接することに抵抗感を抱いたまま一日を過ごすことになってしまいます。
挨拶は簡単さから、コミュニケーションの準備運動(アップ)の役割があると言えます。
余計なストレスを感じさせないから働きやすさに繋がる
”挨拶”はやって当たり前。という認識があります。それは、日本だけではなく海外でもそうです。
”挨拶”はやって当たり前という認識は世界共通ともいえるほど認識が広く、その認識と違う行為、ここで言うと”挨拶をしない”という行為は”挨拶はやって当たり前”と思っている人たちに違和感や不快感を抱かせてしまいます。
挨拶をしないことで与えた違和感や不快感はストレスに繋がり、人間関係の悪化に繋がってしまいます。
人間関係が悪化した時に、何よりも大変なのは「仕事が円滑に進められない」ということです。
仕事が円滑に進められなければ、そこにストレスが生まれます。
挨拶をすることで、”挨拶は当たり前”と思っている人に違和感や不快感からくるストレスを感じさせることがなく、仕事を円滑に進められ、自分も相手も働きやすくなるのです。
相談をそのまま受けるか、常識を説くか
2つ目に、相談された人は「相談された相手の意見を優先すべきか」それとも「世間の常識を説くか」という悩みに挑まなくてはなりません。
ここは難しいところです。
例えば、あなたが上司という立場であれば、「部下を守る」という使命があります。
ですが、それと同時に「会社を円滑に運営しなければいけない」という管理職としての使命があります。
結論からお伝えしましょう。
これは「世間の常識を説く」ということを選んだ方が良いです。
理由はこちら
- 長期的な目でみたら部下を守ることに繋がるから
- 会社組織として円滑に運営することに繋がるから
長期的な目でみたら部下を守ることに繋がるから
”挨拶”は世間の多くの人が「当たり前」という認識があります。
挨拶は当たり前という認識が広まっていることから、挨拶をしないことで、「何だあの人」と変に不信感や違和感を覚えさせてしまうこともあります。
会社という小さな組織の中では、1つの不信感や違和感が、人間関係の齟齬を生むキッカケになってしまい、人間関係が上手くいかないと仕事が円滑に進まなかったり、雰囲気からストレスを感じてしまうことになってしまいます。
そこで「挨拶はしなければいけないよ」と「世間の常識を説く」ことで相談者本人がストレス無く働くことができることに繋がります。
「挨拶をすること自体がストレスなんだ」という意見も分かりますが、挨拶をすることで受けるストレスは1つであり、挨拶をしないで生じるストレスは複数になってしまいます。
どちらの選択をとるのかは本人次第ですが、「世間の常識を説く」ということは本人の将来を守ることにも繋がるのです。
会社組織として円滑に運営することに繋がるから
相談を受ける立場であるということは、環境を変えることができる力を大なり小なり持ち合わせているということです。
職場の環境を変えることができる力があるということは、会社組織の中の仕事を円滑にすることができる立場であり、円滑にしなければいけない立場でもあります。
”挨拶”は人と人とのコミュニケーションであり、挨拶というコミュニケーションが不足してしまうと、仕事を円滑に進めることが困難になり、会社の運営にも影響が出てしまう要因となってしまいます。
会社運営を円滑にするためにも「挨拶は必要だよ」ということを優しく伝えることが大切になります。
”挨拶が苦痛”と相談された時の対処法
「挨拶が苦痛です」と相談された時に、”部下を守るために相談に対処するか”それとも”常識を説くべきか”という答えは「常識を説くほうが良い」と解説しました。
つまり、”挨拶が苦痛”と相談された時の対処法は「常識であることを説く」ということなのですが、その他にも対処法はあります。
”挨拶が苦痛”と相談された時の対処法
- 優しく「挨拶が大切」ということを伝える
- 話を一通り聞いて、上司や先輩、身近な人に相談する
- 「挨拶が苦痛」と思ってしまう背景を探る
優しく「挨拶が大切」ということを伝える
「挨拶が大切だということを説く」とお伝えしましたが、ストレートに「挨拶なんて常識なんだからやりなさい」では、勇気を振り絞って相談しにきた人があまりにも不憫になってしまいます。
ましてや、人に強制されて不満に思っていることに取り組めるほど人間は強くはありません。
「挨拶は大切」と伝えるには「優しさ」が必要になります。
具体的に「優しさ」とはどんなことをさすのかといいますと、”相手に寄り添った視点から話す”ということです。
相手に寄り添った視点から話すということは
・相手が苦しいと思っている気持ちを代弁する
・相手のメリットになることを伝える
・例を出してみる
・できることは改善するという提案をする
ということがポイントになります。
”伝え方”については伝え方が9割という書籍がとても参考になります。
相手が苦しいと思っている気持ちを代弁する
”挨拶”に対して苦痛、苦しいと感じてしまっている現状を、まずは受け入れることが優しさがある受け答えだと言えます。
もし、あなたが相談者として「挨拶が苦痛なんです」と伝えた時に「でも挨拶は大切だからやらなきゃダメだよ」と言われるのか、「そうか、確かに挨拶は人によって苦痛だと感じるよね。俺も社会人のなりたての頃は挨拶が苦痛だったよ。」と言われるのでは、どちらが「親身になって話を聞いている」感じがするでしょうか。
後者のほうが「話をちゃんと聞いてくれている」という印象を受けるのではないでしょうか。
ポイントは
- 相手の気持を察する
- 同じ経験があるのであれば自分も同じ悩みをもっていた経験を軽く話す
まずは、相談者の気持ちを汲み取ることが、お互いの悩みの改善の第一歩になります。
相手のメリットになることを伝える
”挨拶”をすることで、相談者にどういったメリットがあるのかを明確にしてあげることで、相談に対する回答を相手に理解して実行してもらうことに繋がります。
ただ単に「挨拶は普通だからやってね」では、「苦痛だからやめたいといっているのに、なぜやらなければいけないのか?」と漠然とした違和感が残ったままになってしまい、相談者の悩みは解決しません。
この「なぜ挨拶をしなければいけないのか」という部分の”なぜ”という部分に、「相手のメリットになること」を入れることで、相談者の腹落ち度合いが変わります。
”挨拶”であれば、例えば
「最近挨拶がちゃんとできない人が多いとみんな感じててね、みんな挨拶に対して敏感になっているんだ。でもね、これを逆に見ると、挨拶ができるだけで良い印象に映るってことなんだ。良い印象を与えられれば、みんなあなたの仕事に対して助けてくれるようになったり、仕事が円滑に進んだりと、ストレス無く仕事を進められるようになるよ。」
このように、メリットを分かりやすく具体的に伝えてあげることで、相談者が納得する確率も上がります。
例を出してみる
”挨拶”の必要性を説明する時に、漠然と「挨拶は気持ちが良いことだから、少しずつでも良いからしようね!」と伝えるよりも、具体的な例を出した方が”挨拶”の必要性を考える時にイメージをしやすく、実行に移しやすくなります。
挨拶の必要性を説明する時の会話の例として
「挨拶はコミュニケーションと一緒なんだ。例えば、君が誰かに仕事を任された時、仕事を振ってきた人が”はい、これお願いね”と仕事の内容も情報も言わずに渡してきたらどう思うだろう?良い思いはしないはずだ。挨拶をしないということは体の調子が良いとか、機嫌が良いなどの情報を交換するコミュニケーションなんだ。挨拶をしないことで、仕事の内容も情報も言わずに渡してきた時のような不快感を感じさせてしまうこともある。だから、挨拶は必要なんだ。」
例え話は、わかりやすいものであれば何でも構いません。例を出すことで納得する確率が上ります。
改善できる部分は改善するという提案をする
勇気を振り絞って相談しにきたということに、真摯に向き合わなければいけません。
そのためにも、一方的に「挨拶」の必要性を説明するのではなく、相手の要望を受け入れる姿勢をとらなくては勇気を振り絞ってとってくれた行動が報われません。
挨拶が苦痛だと思っていることの原因に対してできることがあれば、「できることは改善していくよ」と伝えるだけでも「相談してよかった」と感じてもらうことに繋がります。
挨拶が苦痛と思ってしまう背景
挨拶が苦痛だと思ってしまうのは、何かしらの原因があります。”挨拶は普通”という認識が広まっているにも関わらず、全くなにもない状況で「挨拶が苦痛」だと感じることは考えにくいです。
では、実際に挨拶が苦痛だと感じてしまう背景にはどんなものがあるか解説していきたいと思います。
挨拶が苦痛だと思ってしまう背景で考えられること
挨拶をしても無視される
挨拶をしても無視されてしまったという経験がある人は”挨拶”に対して抵抗感を抱いてしまいます。
せっかく”挨拶”をしたのに無視されてしまう経験をしてしまっては、挨拶が苦痛になることは必然です。
挨拶したのに無視されるのは気持ちが良いものではありませんからね。
このような理由があった場合は、挨拶を無視している社員に対して注意喚起をするのか、それとも、その人へ挨拶をしないのは許容するのか対応する選択肢が増えます。
挨拶ができない理由がある
挨拶ができない理由があるのかもしれません。
筆者は”吃音症”という言葉が出てきづらい特性をもっています。
ですので、「言葉が出てきづらいので挨拶ができません」という理由ができます。
このように、挨拶ができないのは心理的要因であったり、身体的要因であったりする場合があります。
しかし、吃音症などの身体的、心理的要因だった場合、認識の狭さや理解をしてもらえるのかという不安から相談することが難しい場合があります。
そのため、寄り添った「優しいヒアリング」が必要になります。
会社自体挨拶をしない人が多い
会社にいる従業員自体に挨拶をしない人が多い場合、「挨拶してもどうせ返ってこないんだし、みんなもしてないから自分もしなくていいや」と感じてしまいます。
このような場合は、会社全体の問題に発展しますので、その場での対応をすることが難しくなります。
会社全体的な問題だった場合は、一旦持ち帰らせてもらい、上の役職に相談するという対応が必要になります。
声をかけづらい
声をかけづらい従業員には挨拶がしにくいということも考えられます。
あきらかに不機嫌であったり、貧乏ゆすりをしている人であったりと声をかけづらいと感じてしまう人には自分から挨拶をすることが苦痛になってしまいます。
この場合は、挨拶ができなくなっている原因は相談者ではなく、声をかけにくくしている従業員にあります。
一人の従業員が声をかけづらく、挨拶苦痛だと感じてしまうということは、他の仕事の連携にも支障をきたしている可能性があるので、声をかけづらい従業員への対策が必要になるでしょう。
結局挨拶はしなければいけないの?
結局のところ、挨拶はしなければいけないものなのでしょうか。
結論をお伝えすると、「挨拶をする、しないは最終的には本人次第」となります。
今回お伝えしたのは「挨拶が苦痛だといわれたときの対処法」であり、挨拶が苦痛だと相談されたときの答えは「常識を説くほうが良い」といいました。
これはあくまでも相談者のための選択ではありますが、今の御時世的に強制することは難しいことです。
ですので、こちらからできることである「挨拶のメリット」「相談に対しての対応」などを伝え、伝えられた方が”今後どうするのか”はその人次第です。
職場は働きやすい方が良いのは当たり前です。
働きやすい環境にするために行動をし、その行動を元に、どのような選択肢を選ぶのかは相談者次第になり、相談された人が思い悩む必要はありません。
今回の記事が職場の環境改善に役に立てば幸いです。
まとめ
今回は、「挨拶が苦痛」だと相談された時の考え方と対処法を解説しました。
一見当たり前のように感じる行為も人によっては難しく感じたり、苦しく感じることがあるものです。
ただそこで、一方的な見方で対応するのではなく、いろいろな視点から対応することが思いやりのある対処法なのではないでしょうか。
今回の記事が挨拶で悩める人にも、相談されて板挟みになっている人にも役に立てば幸いです。
以上
たくしんでした
コメントする