仕事において、「自分は平気、なんとも思ってないから心配いらないよ!」という気持ちを相手に伝えたい時に、「全然大丈夫」と言いたくなってしまうときはありませんか?
ですが、「全然大丈夫」では仕事の場面で似つかわしくないな…
とも思ってしまうもの。
折角相手に配慮した言葉を贈ろうとしたのに、「全然大丈夫」という言葉を使って逆に相手の気分を害したということがあると、何だかやるせない気持ちになりますよね。
今回は、ビジネスで失礼にならない”全然大丈夫”の言い方を例も踏まえて紹介し、「全然大丈夫」の使い方で悩んでいる人のお役に立てばと思います。
- 「全然大丈夫」の失礼にならない言い方
- 「全然大丈夫」のシチュエーション別の言い方の例
- 「全然大丈夫」の注意点
内向型人間
たくしん
takushin
詳しいプロフィール
インキャ、インドアという2つの”イン”を持つ者。
バリバリ金融営業➡北海道転勤➡第二新卒で転職➡関西居住➡地元に戻る。というムーブをかました5年目社会人。
今まで無事に生きられたのは周囲の”人”のおかげだと本気で思っているので、”人”に関係する悩みが多い社会人(特に新入社員や転職した人)に向けた、自分の経験から”人”に関係する悩みを解決する発信をしてます。
ビジネスで失礼にならない”全然大丈夫”の使い方
早速ですが、ビジネスシーンで失礼にならない”全然大丈夫”の使い方は以下の文章が適切です。
「差し支えございません」(さしつかえ)
解説
「差し支え」(さしつかえ)=物事を行っていく上で、不都合になることを意味する言葉です。
この単語は、目上の人(上司・取引先)などに有効な単語です。
「〜ございません」=「〜ない」という語は「〜ありません」という敬語表現にでき、かつ、「〜ありません」という語は「〜ございません」という丁寧な表現にすることが可能です。
つまり、「〜ない」の敬語表現をより丁寧にした語が「〜ございません」ということになります。
この場合、「差し支えございません」=私には何の不具合もありませんよ。という意味になり、相手は失礼だなと感じにくいと考えられます。
以上より、「差し支えございません」という後は「不都合になることを意味する語」と「”〜ない”の丁寧な敬語表現」を組み合わさえることによって、ビジネス上失礼にならない「全然大丈夫」の言い方になるわけです。
相手別「全然大丈夫」の言い換え
話す相手によって、「全然大丈夫」を言い換えることで、会話を違和感なくスムーズに進めることができます。
話す相手別に「全然大丈夫」の言い換え方を解説していきます。
上司と話す際
「差し支えございません」
「差し支え」(物事を行っていく上で、不都合になること)という語と、「〜ございません」(”〜ない”の敬語、丁寧表現)の組み合わせた目上の人に使える語です。
「全く問題ございません」
「全く」は読んで字の如く、「すべて」という意味で、「問題ございません」というは、「支障をきたすことは何もありませんよ」と伝える語です。
「全く問題ございません」は敬語を含む、目上の人に適切な語といえます。
相手に与えることとしては、「すべてにおいて支障をきたすことは何もないですよ」ということです。
「異存ございません」
「異存」というのは、物事に対する反対意見だったり、納得できないことを指す言葉です。
その言葉に「〜ない」の敬語、丁寧表現がついているため、「あなたの考えに対して反論はなにもないよ」と相手に丁寧に伝えることになります。
「ご心配には及びません」
文法としては、「心配」に「ご」をつけて丁寧にし、「及ばない」を敬語にしている形です。
目上の人に対して、「心配する必要はありませんよ」と伝える時に有効です。
取引先と話す際
「差し支えございません」
「差し支え」(物事を行っていく上で、不都合になること)という語と、「〜ございません」(”〜ない”の敬語、丁寧表現)の組み合わせた目上の人に使える語です。
「全く問題ございません」
「全く」は読んで字の如く、「すべて」という意味で、「問題ございません」というは、「支障をきたすことは何もありませんよ」と伝える語です。
「全く支障ございません」
「全く」は前の語で説明した通りです。
「支障」は「物事の問題のこと」を指し、「〜ございません」は「〜ない」の丁寧表現です。
よって、目上の人にも活用できる語といえます。
同期・同僚と話す際
「全然大丈夫です」
フラットな関係性であれば、そのまま使用しても問題ありません。
「全く問題ありません」
少しかしこまったほうが良い同僚の場合、「〜ない」の部分を丁寧語にし、「ありません」を使います。
「ございます」ではへりくだりすぎるので、丁寧語で違和感なく会話をすることができます。
「心配しなくても大丈夫です」
フラットな関係性の際に、軽い感じで使える言葉がこの文法です。
ただ、言い方や関係性次第では「余計な心配すんなってこと?」と誤解を招いてしまうかもしれないので注意が必要です。
シチュエーション別「全然大丈夫」の言い換え
「全然大丈夫」を使う場面は一つではないと思います。
「先方が心配してくれている」「先方のミスで謝罪を受けている」「上司がミスがないか確認してくれている」と、様々な場面で「全然大丈夫」という言葉を使いたくなります。
この項目では、実際のシチュエーション別に、「全然大丈夫」をどう言い換えて伝えれば良いのかということを紹介していきたいと思います。
「取引先が自分の体調を心配してくれている場合」
例
ご心配いただきありがとうございます。体調は回復し全く問題ございません。
解説
まずは、心配してくれたことを感謝する言葉を入れて、その後に「全然大丈夫」であることを主語「体調が回復したこと」を明確にし、「全く問題ございません」に置き換えます。
「上司が仕事の進捗について確認しにきた場合」
例①
仕事の進捗確認、ありがとうございます。仕事の進捗具合は今のところ全く問題ございません。
解説
まずは、上司が仕事の進捗度合いを気にかけてくれたことに対して、お礼の文言を入れます。
その後、聞かれた問いに対して「全然大丈夫」ということを「全く問題ございません」に言い換え、伝えると自然な回答になります。
例②
仕事の進捗は問題なく進んでおります。ご心配には及ばないと思います。
解説
上司からの問いに対しての結論からまずは伝えます。
その後、「全然大丈夫」を「ご心配には及ばない」に置き換え、伝えることで相手の安心と的確な回答2つを満たすことが出来ます。
「メールで取引先が返答を忘れてしまい、謝罪された時」
例
取引先:「ご返答失念しておりました。ご迷惑をおかけし大変申し訳ございません」
あなた:ご連絡ありがとうございます。ご返答の遅れ全く問題ございません。
解説
遅れてでも連絡をしてくれたことに対して、お礼の文言を入れます。
そして、何に対して「全然大丈夫」なのかを伝えます。
このときの言い換えとして「全く問題ございません」が一番自然に伝えられます。
メールで「全然大丈夫」を使うなら
メールで「全然大丈夫」を使うのであれば、誰に対して言うのか?どんなシチュエーションで言うのかによって、言い換え方は変わります。
なので、一概に”これを使えば正解”という言い換えはありません。
ここでは、「全然大丈夫」の言い換えをざっとあげ、その中から言う相手、シチュエーションに合わせ使用してみると良いでしょう。
「全然大丈夫」の言い換え
・差し支えございません
・全く問題ございません
・支障ございません
・全くご心配ございません
・異存はございません
・ご心配には及びません
これらの言い換えを言う相手やシチュエーションによって使い分けることで、相手が不快にならずに会話をすることができます。
念の為、例えを簡潔に紹介してみます
→「ご連絡ありがとうございます。ご返答の遅れに関しまして、支障ございません」
→「追加の仕事につきまして、差し支えございません」
「全然大丈夫」はカジュアル?フォーマル?
ここまで解説を御覧頂いている方ならば、すぐに分かると思いますが、「全然大丈夫」は”カジュアル”な言い方だという認識で問題ありません。
想像してみてください。
友達と話している時に「全然大丈夫」という場面、この場面に対して違和感は感じないと思います。
逆に、お客様だったり、取引先の人に「全然大丈夫」と言うことを想像してみると、何かしっくりこないはずです。
これは、「全然大丈夫」が友達などの親密な人との会話で使うという認識が根付いているからという理由があります。
なので、フォーマルなシーンで使うのであれば、「全然大丈夫」を言い換えたほうが良いということが分かります。
「全然大丈夫」の謙譲語、丁寧語、尊敬語、類義語
「全然大丈夫」の言い換えを、謙譲語、丁寧語、尊敬語、類義語の観点からみていきたいと思います。
「謙譲語」「丁寧語」「尊敬語」「類義語」は以下を参考にしてみてください。
「謙譲語」=自分がへりくだって、相手を敬う敬語
「丁寧語」=自分よりも相手や第三者を高く位置づける敬語
「尊敬語」=話し手が聞き手に対して敬意を表すための敬語
「類義語」=同じ意味の語
「全然大丈夫」の謙譲語
- 「全く問題ございません」
- 「差し支えございません」
- 「支障ございません」
- 「ご心配ございません」
「全く問題ございません」
「全く」=すべてにおいて、「問題」が”ない”ということを、”ない”のへりくだった表現である「ございません」を使います。
「差し支えございません」
「差し支え」=物事を行っていく上で、不都合になること。に”ない”のへりくだった表現「ございません」をつけて謙譲語表現にします。
「支障ございません」
「支障」=物事を進めていくうえで、問題になること。に”ない”のへりくだった表現をつけています。
「ご心配ございません」
「心配」に「ご」をつけ、丁寧な表現にし、”ない”のへりくだった表現「ございません」を組み合わせることで、謙譲語表現にしています。
「全然大丈夫」の丁寧語
- 「全然大丈夫です」
- 「全く問題ありません」
- 「支障ありません」
「全然大丈夫です」
「全然大丈夫」に”です”をつけ、文法を丁寧にします。これだけでも、丁寧な表現ではありますが、人によっては違和感を抱く人もいます。
「全く問題ありません」
「全く問題ございません」よりも砕けた表現にはなるものの、”ない”の丁寧な表現である「ありません」を用いているため、丁寧な文法になります。
「支障ありません」
この文法も、”ない”の丁寧な表現である、「ありません」を使い、丁寧な文法にしています。
「全然大丈夫」の尊敬語
- 「問題ございませんでしょうか」
- 「差し支えございませんでしょうか」
- 「支障ございませんでしょうか」
「問題ございませんでしょうか」
尊敬語は話し手が聞き手に対して敬意を表すための敬語であるため、相手が主語になります。
「全然大丈夫」の場合、「(相手が)問題ございませんでしょうか」という文法になります。
「ありますでしょうか」では少し崩し気味になってしまいますので、「ございません」の謙譲語表現を使えば失礼にならない表現になります。
「差し支えございませんでしょうか」
「差し支えございません」を自分が主語ではなく、相手を主語に変え、「差し支えございませんでしょうか」に変えます。
「支障ございませんでしょうか」
「支障ございません」を相手を主語に置き換えます。
尊敬語を用いる場合は、会話が相手主体となるので、「全然大丈夫」をこちらから言う形ではなく、「相手の状況」に対して言う形となります。
会話の例としては「商品の納期を可能であれば短縮していただきたいのですが、差し支えございませんでしょうか。」といった、自分発信の形になります。
「全然大丈夫」の類義語
- 「全く問題ない」
- 「支障ない」
- 「心配ない」
- 「差し支えない」
- 「構わない」etc…
「全然大丈夫」というのは”自分、状況の状態に問題がないこと”を指して使う場合が多いと思います。
ですので、類義語表現としては、「全く問題ない」「支障ない」「心配ない」「差し支えない」「構わない」などの状態を表した語が該当します。
また、語彙に関しては参考になる本がありますので、そちらも参考にしてみてください。
「全然大丈夫」を使う時の注意点
「全然大丈夫」を使用する際は、相手に失礼にならないように言い換えることも注意する点ではありますが、もう一つ、注意する点があります。
それは、「会話の流れで相手を配慮した文章を組み合わせる」ということです。
例えば、「取引先が自分の体調を心配してくれている場合」の返事は、”取引先が自分の体調の心配をしてくれた”という配慮の言葉に対しての”感謝の言葉”を付け加えます。
例)ご心配いただきありがとうございます。体調は回復し全く問題ございません。
「全く問題ございません」「差し支えございません」などの返答だけでは、一見、「全然大丈夫」という配慮の言葉を相手に失礼がないように言い換えていますが、文章で見ると「怒っているのかな?」「本当に大丈夫かな?」など、不安に思ってしまう要因になります。
なので、一言「自分の気持ち」を表す文を付け加えると相手の安心に繋がります。
まとめ
今回は「ビジネスで相手に失礼にならない”全然大丈夫”の言い方」を実例を含め、解説しました。
「全然大丈夫」という言葉は簡潔に自分の状態を相手に伝えられるということもあり、日常生活で使用する頻度が高く、自然に口に出てしまいます。
ただ、仕事ではちゃんとした関係性を持って取り組みたいという取引先もあります。
そんな人を相手に日常でもよく使う「全然大丈夫」という言葉を使うことで、大げさではありますが、信頼関係に小さなヒビが入ってしまう可能性があります。
そんな可能性を排除するためにも今回の記事が参考になれば幸いです。
以上
たくしんでした
コメントする